マインドフルネス瞑想療法士®育成講座

石川県金沢市にて「第6期:マインドフルネス瞑想療法士育成講座」の第2回目の講座が開催され、受講者の皆さんは西田哲学に入門しました

2018/08/01

トレーナーの羽利です。

2018年7月22日(日)に、マインドフルネス瞑想療法士育成講座の第2回目が開講になりました。

北陸マインドフルネスセンターは、この講座の事務局を担当しています。

この日の金沢は最高気温が34度、あいかわらず暑さが続きます。
関西方面から通われている受講者の方には少しだけ涼しかったかもしれません。

第2回目の講義をダイジェストでおしらせします。
なお、本記事は、著作権をお守りするために、ご講義いただいた大田健次郎先生に掲載の許可と内容のチェックを受けております。

2回

今回もたっぷり資料が配布されております。

近年のマインドフルネスブームとうつ病からの回復について

上座部仏教(大乗仏教に対して小乗仏教とも呼ばれる)の修行法の1つに、ヴィバッサナ瞑想があり、大乗仏教の一派である禅宗の修行法の1つに座禅があります。

自己洞察瞑想法は、これらと初歩的な実践方法は似通っていますが、実践された時代、思想が異なり、一歩踏み込んだ実践方法も一線を画しています。

具体的には、自己洞察瞑想法は、自分の健康問題を含み社会のためになる現実問題解決を目指すという「目的」を持った実践法で、上記の仏教の修行法とは違っていることを確認しました。

また、精神疾患や心身症の回復において傾聴型カウンセリングや薬物療法は、脳で注意のネットワークを構成する前頭葉「背外側前頭前野」の機能回復に直接作用するものではありません。

背外側前頭前野を日常生活で活性するには、呼吸法の他に、創造的活動の現場において、目的にかなう理想像を描き、行動し、行動によって変化する状況の中で自分を観察することが有効であるその仕組みを確認しました。

日本の芸術家が表現しようとした自己の世界

午後の講義の導入では、大田先生からの、日本の芸術家は、作品の中を通して、自己の深い世界を表現しようとした人が多いのでは?

という示唆のもと、福島県二本松市出身の日本画家:大山忠作の作品を西田哲学の視点で鑑賞しました。

哲学の実践と脳神経システムへの影響

第2セッションをグループセッションで進める模擬レッスンが大田健次郎先生と恵美子先生によって行われました。

不快な感情がつらい考えに発展し、苛まれることからうつ病に発展するモデルを復習した後、自己洞察瞑想療法の大きなポイントの1つ「意志作用」について学びました。

つらい考えがとめどもなく湧いてきても、あるがままに観察し、それ以上回転させず、解放し、自分が本来やろうと思っている価値実現的な行動を欲し、決意し、実践する働きは「意志作用」です。

特にうつ病や不安障害などで闘病中の方が「治すために」という目的を思い浮かべて、行動する時に思い浮かべることこれ自体に「意志作用」が働くことを西田哲学の視点から理解しました。

そして、「今、ここ」と関係ない不快な感情や思考に陥っていたら、そのことにも「今、ここ」で気づかなければならないと強調され、何度でも思考を中断し、暴走させないことを実践するよう繰り返し教示されました。

ワーキングメモリの最高位司令塔「背外側前頭前野」

大田恵美子先生の脳トレ体操、初めての体操も紹介されました。
空中での「スリスリトントン」、受講者一同、四苦八苦で苦笑でした!

新しい体操のルールを念頭に置きながら(脳のコピペ作用)、「今、ここ」でやっていることを検証し、修正する行動ができる・・・これはまさにワーキングメモリの働きによるものですね。

ワーキングメモリの4つの機能(ここでは割愛)のうち、中央実行系は、注意の実行系の制御(背外側前頭前野、前部帯状回の協調の働き)であり、社会的行動を遂行する際の最高位の司令塔の役割を担っています。

瞑想によって、この背外側前頭前野の活性することがわかっています。
第2セッションでは、注意作用を自由に使う(注意の分配、移動、持続)という課題があります。
支援者としては、これらの課題に熟達することの、ワーキングメモリの回復に与える影響を今一度肝に命じて指導する必要があると気持ちを新たにしました。

「ゆっくり呼吸法」の脳神経システムへの影響

ゆっくりと呼吸をすることは、交感神経に対し、副交感神経の働きを優位にします。

呼吸筋を意識的に操る随意運動であり、大脳皮質の複数の領域の連携を要します。

血中の二酸化炭素濃度を増加させ、延髄下部の縫線核のセロトニン神経の刺激によって

・橋・中脳の縫線核を刺激し、大脳辺縁系へと広がるセロトニン神経を活性化させ、精神的安静につながること

・脊髄の横隔神経・運動神経を刺激することで、横隔膜の呼吸運動を促進させること

を確認しました。

西田哲学と「意志作用」について

いよいよ、今回、受講者の皆さんは、本格的に西田哲学に入門しました。

先生は、自己洞察瞑想時に観察している私たちの中で起きていることを「場所の論理」を用いてご説明されました。

何かがそこにあるとわかる時、それはある場所に置かれています。そして、「内容・対象と作用(働き)」は同じ場所になければならない。脳においても、視覚作用とこの作用が作り出した対象(内容)は視覚野にあることをイメージしてもわかるでしょう。

そして「意識の野(意識野)」には複数の作用によって映し出された内容・対象ともっと深いところで見る作用があり、それが意志作用であることを理解しました。

そして、

自己洞察瞑想療法/瞑想法は、衝動的な行動で自分や周囲を苦しめたりすることなく、意志作用を発揮し、社会を創造することにつながる自分の目的(短期的)・価値(中長期的)を実現することに寄与することを確認しあいました。

そして、西田幾多郎全集の『総説』『叡智的世界』『場所』『意志の問題』『表現作用』ほか、小坂国継『西田幾多郎の思想』を参考文献として、

「意志」「意志すること」に相当する部分から、自己洞察瞑想療法/瞑想法(SIMT)の意志作用の意味することをご教示されました。

これらは、のちの講座で一層深められていくものです。

大田先生は、西田の行為的直観についても触れられました。

これらは、また講義が深まっていく中で取り上げられる内容ですが、今回は、西田哲学について入り口から数歩入ったそんな講義でした。

大田健次郎先生、大田恵美子先生、今回も、暑い中、金沢まで来ていただきありがとうございました!

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