背景にある理論・哲学

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自己洞察瞑想療法(SIMT)と西田哲学

自己洞察瞑想療法(SIMT)の理論的な根拠は、西田哲学と脳神経生理学にあります。
西田哲学は石川県出身の哲学者:西田幾多郎博士による、仏教思想と西洋哲学を統合した哲学理論体系です。

瞑想を通して自己を深く探求して行くことによって、苦悩からの開放が促されることがしばしば起きます。

私たちは、日頃は、自分がどのような考え方をしているのか、物事を自分がどう受け止めているか、どんな気持ちになっているのか、自分がどう行動しているかなどあまり意識していません。

しかし、何か上手く行かずにつまづいている時、自分をよく知らないとどう問題を解決していけばよいのか迷ってしまいがちです。

西田哲学では、自己の深さを数段階で論じています。浅い自己からより深い自己を探求することによって、今まで知らなかった自分に気づき、新しい問題解決のための新しい行動へと踏み出します。

西田哲学は、とかく難解なものと評されますが、自己洞察瞑想法(SIMT)は、その中から苦しみからの開放に必要なエッセンスを抜き出しています。そして、現代人にも理解しやすいよう図解や文章化し、だれもが実践可能となるように工夫されています。

自分の知らない自分に出会い、そして問題解決につながる行動を通して、苦しみを開放し、本来のイキイキした自分を取り戻していきます。

脳神経生理学から見えてきた呼吸法の効用

私たちは日々、大小の目的を持って生きています。その目的を果たすには、状況を観察し、受け止め、判断し、行動するなど様々な働きを駆使した意志の働きが必要です。

しかし、心の病に陥るとそのような働きが思うように働きません。心の病は脳や神経系の不調です。つらいことが起き、つらいことばかり考え、陰性の感情に長期間苛まれると、脳の前頭前野という部分がストレスホルモンによってダメージを受け続けてしまいます。それによって、前頭前野が司っている目的を完遂する行動ができなくなってしまいます。

また、交感神経の興奮で内臓や筋肉に変調が現れます。消化不良(下痢・便秘)や痛みが現れたりもします。

自己洞察瞑想法(SIMT)では、呼吸法を継続して実践します。自分の意志で調整ができる呼吸に注意を向けることで、前頭前野が活性化します。とくに吐く時にゆったりした呼吸は、一時的に血液中の二酸化炭素量が上昇するため、セロトニン神経が刺激され、神経伝達物質のセロトニンが脳内に分泌されます。抗うつ薬の服用と同じ効果が得られることになるのです。

無評価になり、思考に振り回されない

同じ色を見ても、それぞれ感じ方が違います。好き嫌いが違います。しかし、そこには「赤」や「黒」という名こそつけられていますが、その色があるだけです。

同じ人の表情を見ても、人によって起こっているように見えたり、困っているように見えたりします。しかし、そこにはその人の表情があるだけです。

私たちは、そこにある事実をあるがままに見ず、解釈、評価、判断といった心の作用が生み出す「言葉」によって、「思考」が止らなくなることがあります。

きっとあの人は怒っているに違いない、きっと私が○○したからだ、あーなんであんなことをしてしまったんだろう、私はいつもそうやって人を怒らせる、私は本当にダメな人間だ、あの人はもう私と口を聞いてくれないだろう・・・

これは一例ではありますが、決して極端な例ではないでしょう。

また、自分が感じている感情の実態がつかめればそれ以上振り回されることもありません。
感情を明確にし、受けとめては流すことで、陰性の感情に必要以上に支配されないようにしていくことも重要な練習の1つです。

これらは自己洞察瞑想法(SIMT)の練習の一例です。

その他にも、日常の動作に注意を向けたり、エネルギーを失った行動を活性化していく練習を積み重ねていきます。

2017/09/15