NHKスペシャル「キラーストレス」より(2):「扁桃体と延髄と自律神経」と運動の関係について

脳

■意外と知らない「脳」のこと

自己洞察瞑想療法で、クライエントの方をサポートさせていただいて感じていることなのですが、多くの方が自分の「脳」で起きていることについて、最初はあまり情報を持っていらっしゃいません。

したがって、レッスンの中では脳神経科学についてもお話をしていくことになります。

一般的には「うつは脳の変調」と言われながらも、大抵のクライエントの方は、「脳」についてレクチャーを受けた経験は少なく、自己洞察瞑想療法の中では、レッスンの中では、初めて聞くような話もあるのかもしれません。

もちろん、長年、症状に苦しんでいらっしゃる方の中には、よくお調べになっていて詳しい方もいらっしゃいます。

しかし、多くの方の場合は、詳しいことはわからないままいただいたお薬を飲んでいたり、また自分で調べようと思っても、そもそも「脳の変調」が起きている訳で、理解が追いつかない状態に陥ってしまいがちなのではと感じています。

■運動によって、扁桃体の興奮を自律神経に伝える回路「延髄」に何が起きるのか?

うつや不安障害は「脳の変調」の中で起きています。

中でも、理解しておきたいのが「扁桃体」のことです。

扁桃体は、情動面では好き嫌いや攻撃性に関わり、恐怖反応を引き起こします。この働きにより、外敵に反応し、心拍数を上げ、筋肉に血液を送り、闘争や逃走を可能にします。

扁桃体の過剰な興奮が、視床下部-下垂体-副腎皮質からのストレスホルモンを過剰にし、健康上問題になる身体反応・身体症状を引き起こしてしまうことが多々あります。

また自律神経の中枢である視床下部から、交感神経を興奮させる指令により、身体反応・身体症状を引き起こしてしまうことも多々あることでしょう。

NHKスペシャル「キラーストレス」第1日目は、運動をすると「自律神経の興奮を抑えること」がわかり、その結果、ストレス反応の暴走を食い止めることになると明言されていました。

番組では、軽く息のはずむような運動が紹介されていましたね。

単なる気分の問題ではなく、運動することで、脳の「延髄」での神経細胞にある突起の数が「減少」し、扁桃体の興奮を伝えにくくなるということでした。 (延髄は、もともと扁桃体と自律神経をつなぐ回路。視床下部からの指令を受け制御に当たる部分。)

延髄が扁桃体からの情報を自律神経に「伝えすぎない」ために、貢献するのが「運動」。

従来からのうつの治療においても、運動が推奨されています。

自己洞察瞑想療法の中でも、体操・スクワット・早足散歩・ジョギングが課題になっています。

塞ぎ込みたい時にも、運動をすることによって不快な身体反応や身体症状を軽減できることがわかります。

症状が出ている方も、そうでない方も、無理のない運動を続けたいですね。

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  • この記事を書いた人

羽利 泉(はりいずみ)

石川県金沢市でカウンセリングや「うつ・不安障害を治すマインドフルネスーひとりでできる自己洞察瞑想療法ー」の講座をしたり情報を発信している公認心理師(国家資格)・マインドフルネス瞑想療法士です。マインドフルネスの実践を通し、心身症状で悩む方のサポートをしています。