自己洞察瞑想療法を知る

率直で温かい助言の宝庫:自己洞察瞑想療法の洞察実践33「常に『今、ここ』課題の現場」|うつ・不安障害を治すマインドフルネス

自己洞察瞑想療法に取り組もうとする時、うつ・不安障害を治すマインドフルネス―ひとりでできる「自己洞察瞑想療法」の全てのページを読む必要はありません。

しかし、途中で挫折してしまう方の多くは、最終セッションの内容を読むことなく、終わってしまうことが起きますが、これとても残念なことです。

そこで、自己洞察瞑想療法に取り組もうとする方へ、うつ・不安障害を治すマインドフルネス―ひとりでできる「自己洞察瞑想療法」の後半の部分に関するトピックスを選んで、コラムを書いてみたいと思います。

課題にあるものや計画したものだけを実践しても足りない

「●洞察実践33●:常に「今、ここ」課題の現場という課題」は、自己洞察瞑想療法の開発者である大田健次郎先生の厳しくも愛のあるメッセージの宝庫と言えましょう。

自己洞察瞑想療法においては、静かに座って呼吸法をしている時間だけが、うつ・不安障害を治すトレーニング時間ではありません。

実際は、日常生活のあらゆる場面が、自分に注意を向けて、自分を現在進行形で観察する自己洞察の練習場所になります。

私たちは、日常生活の様々な場面

例えば、仕事を進めていく過程や、苦手とする人間関係・家族関係に直面した時、自分に生じているつらい症状や自分が苦悩することになる感情や不快な思考が湧いてきた時など

その場面・場面で、自分がどのように対処していくかを自分で決めていくことになります。

具体的には、自己洞察瞑想療法のキーワードを使うなら「価値実現の(目的や願いを叶える)反応パターン」を選ぶか「価値崩壊の(目的や願いを叶えない)反応パターン」を選ぶかです。

長引いている問題を改善するために、真剣になりましょう。
(うつ・不安障害を治すマインドフルネス―ひとりでできる「自己洞察瞑想療法」225ページ11行目)

多くの方が、自分の抱える心身の問題を改善したいはずです。

しかし、症状がひどい時には、課題をする気が起きなかったり、実践がマンネリしてきたり、課題そのものの理解が不足して重要性がわかっていない時「これくらいやらなくてもいいか」と実践を回避したくなることもあるでしょう。

ある程度、症状が軽くなるまでは、油断せずに、常に何かの課題を実行することです。
(うつ・不安障害を治すマインドフルネス―ひとりでできる「自己洞察瞑想療法」225ページ18行目)

どんなにつらい時も、自己洞察トレーニングの何らかの課題をやりましょう。

つらい時にも、呼吸ができない人はいません。呼吸法を行います。

まだトレーニングを始めたばかりの頃は、不快な思考を中断するようなスキルが身についておらず、呼吸法の中でも不快で不要な思考が反芻し、逃げ出したくなるということもあるでしょう。

そんな時、かろうじて起き上がることができるならば、洞察実践8:行動活性化手法の中で1つでもいいので自分ができることをやります。
(ベッドの中でも、お気に入りの音楽や心が落ち着くような音楽を聞いたりすることはできると思います)

動くことで大脳の前頭前野は活性するのですから。

自分には乗り越えていく自由ないしを行使できる存在

自分にとって問題となっている局面(例:家族に対して冷静に接することができない時、人前で緊張する時、症状を嫌悪し塞ぎ込んでしまう時、自己嫌悪や絶望で何もかもが嫌になってしまう時などなど)での、「今までのあなたの反応パターン」があなたにとって、相手にとって好ましくないのであれば、

それらは、行動を通して「別の反応パターン」へと変え、さらにそれを定着させていく必要があります。

それが変化、定着しない、主な原因は第6セッションの「本音と真剣に向き合う(193ページ)」の実践が不足していると大田健次郎先生は指摘しています。

隠れた本音に気づくこと

第6セッションの「本音と真剣に向き合う(193ページ)」は、自己洞察瞑想療法の最重要課題と言っても過言ではないかと思います。

本音というのは、自己洞察瞑想療法特有のキーワードで

心理作用を起こす、まさにその時に、現在進行形で対象を色眼鏡やフィルターのように覆ってしまう、主観的、独断的、自己中心的な評価や基準を「本音」と言います。
(うつ・不安障害を治すマインドフルネス―ひとりでできる「自己洞察瞑想療法」111ページ20行目)

本音には顕在し自覚できるものと、まだ意識されずに自覚できないものがあります。

この本音によって、起きている事実をあるがままに観ることができず、必要以上に苦痛に感じたり、不快で不要な思考を生み出し、中断するスキルが不足している場合は、それが繰り返されます。

しかし、

苦痛に感じているもののすべてが、器や鏡のように一時的に入って(映って)、出ていく(消えていく)ものであり、自己存在そのものではないことを肝に銘じます。
(うつ・不安障害を治すマインドフルネス―ひとりでできる「自己洞察瞑想療法」111ページ20行目)

上記を理解するには、自己の構造を知識として知るために少しレクチャーが必要かもしれません。そして、数ヶ月にわたる自己洞察のトレーニングが必要になります。

本音を常に探究していく

先に述べておきますが、本音が主観的、独断的、自己中心的な評価や基準であるとしても、決してそれは「悪」ではありません。

それは、自分が生まれ育ってくる中で、家族や学校などの集団生活を生きる中で身につけてきた価値観であったり、社会の規範や一般常識として私たちに無意識に取り込まれきたものでもあり

誰にでもあるものです。

もしこれらを「悪」とみなすと自分の中にある「悪者」探しになり、本音の探究は苦痛となります。

226ページ8行目からは、本音に対してのさらなる探究方法を書いています。

大田健次郎先生からは、5つのアドバイスがありますが、いくつかについて私からもアドバイスを書きます。

感じることを禁じない

依存、甘え、責任転嫁、見捨てられ不安、攻撃性、欲求不満、自己の不当な評価などの本音がありませんか。
(うつ・不安障害を治すマインドフルネス―ひとりでできる「自己洞察瞑想療法」226ページ8行目)

それらは、あってはいけないものだと多くの方が思いがちではないでしょうか。

ですが、「まずは」それを善し悪しの判断を保留して、ありのまま観ます。

それが自分を苦しめているとわかったら、

・このままこれらの本音を発動・暴走させるか、
・それ自体の存在を知りつつも、発動・暴走させないことを選択するか

検討していくことが苦悩の解消の大きな手がかりになります。

憎しみを起こした後、症状は軽くなるか?

症状を抱えているお客様の大半に、家族や会社、職場の上司や同僚との対立構造を感じます。

したがって、日々、記録していただく記録表には、そんな中での不快な出来事や、不快な感情や思考を書き綴られていることが自ずと多くなるわけです。

しかし、その後、数日にわたって、体調が優れなかったり、精神的な症状が続いているのをしばしば拝見します。

憎しみを起こした時に、脳の中で何が起きているでしょう。

憎しみはストレスとなる考えになり、心身には何らかのストレス反応が起きるのではないでしょうか?

 

自己評価が低い、自分はだめだという考えはどこからくる?

自己評価が低い自分やダメな自分というのは、本音の発動と思考作用によって作られた自己イメージであり、自己存在(本来の自己)そのものではありません。

症状、感情、行動などをつらく思うこと、嫌悪すること自体は、自己存在(本来の自己)の働きでも、そのものでもありません。

何もかもがいっしょくたになって、自己評価が低いとか、自分はダメだとか、思考を飛躍させて、自分を決めつけていませんか?

この時の思考の飛躍は、衝動的思考として習慣化されたものであり、実際のところは、自己洞察瞑想療法がよりどころとしている「自己存在の哲学」によって紐解いていくことによって変えることができるでしょう。

厳しくも温かい目線での助言の宝庫

さて、「●洞察実践33●常に「今、ここ」課題の現場」を読んでみて、どう思われましたか?

自分にはできそうにない、自分にムリと思いましたか?
今まで自分の問題を解決するのに何をしていいかわからなかった方は、今の状況を変える「道筋」があるならチャレンジしてみたいと思いましたか?

至極の助言

こうして「●洞察実践33●常に「今、ここ」課題の現場」をレビューしてみると、開発者の大田健次郎先生ならではの率直な助言がぐぐっと胸に迫ります。

先生のお人柄を知るに、これらはご自身がうつ病を真剣に克服し、開発者としての「励まし」として、特に第10セッションに取り組まれる方には、「再発させない」ためにスキルを定着、発展させるための至極の助言だと思います。

今回は、

これから自己洞察瞑想療法に取り組もうと思っている方や、テキストは取り寄せた方が、どのような方向に自分が進んでいくのかを「ちらっ」と知ることができるように第10セッションの洞察実践33を取り上げてみました。

ではまた次回。

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