運動で「注意の分配」をトレーニングするための秘密兵器

トレーナーの羽利です。

今日は、自己洞察瞑想療法で、不快な思考への「注意の集中」を防ぐために行う「注意の分配」というトレーニングに関することを書いていきます。

注意の分配とは?

おさらいですが、心の作用とは、思考・感情・感覚・行動などの働きのことでした。

注意の分配とは、ひとつの心の作用にだけ注意を向けるのではなく、複数の作用に注意を分配・分散させることです。

例えば、考えごとに耽ってしまう時というのは、それは思考の作用が生み出した内容(対象)にどっぷりと入り込んでいて、思考という作用にも注意が向いている状態ではありません。

まず、自分が考えているということに現在進行形で気づくいていることが自己洞察です。

その上で、思考作用以外の、感情、感覚、行動などの作用にも気づいているというのが注意の分配です。

注意の分配は難しい!?

注意の分配は最初は難しいと感じるかもしれません。

幼い頃から、私も含め、1つのことに集中することが良いことだと信じ込んできた方にとっては、「注意を複数の作用に分ける」ってどういうこと?と思うのは無理もありません。

注意を向けるということは、意志作用つまり大脳の前頭前野の働きです。

うつ・不安障害やストレス過多の方には、注意を向けるということで、大脳の前頭前野を活性させることができる訳なので、どこでも簡単にできるトレーニングです。

その注意を複数の働きに分けて向けることには、最初はどまどいもあるかもしれません。

しかし、最初から撃沈しないためには、おすすめの方法があります。

音楽と運動

うつ・不安障害を治すには、運動をしないという手はありません。

手足を動かす運動は、脳への血流を増やし、特に前頭前野を活性します。

私は、この運動中に注意を分配することをぜひ試してほしいのです。

つまずきを回避して、注意の分配をマスターする

私も、注意の分配は最初からうまくできた方ではありませんが、お客様でもここでつまずく方のパターンは、

呼吸法の中で試してみて、できなくて、落ち込んで、嫌になるというものです。

特に、呼吸法の中で、思考を中断できない状態の方(思考が止められない方)が、いきなり複数の作用を観察してみて、と言われても階段を2、3段飛び越した難易度の課題に取り組むことになるでしょう。

そこで、私がお勧めしたいのは、音楽をかけて運動するということです。

実は、私は、日常的に、

自分の体の動きに注意を向け
音楽を聴いていることがわかり
ちゃんと呼吸しているかどうかを

観察しています。

行動・聴覚への注意の分配は確実にできているのを感じます。

ところどころ、呼吸を観察したり、感情や思考がないかということにも注意を向けたりもします。

その秘密兵器はこれです

その練習は、音楽を聴きながらステップエクササイズ(踏み台昇降)をすることで、比較的簡単にできます。

写真は、私が愛用しているもので、フィットネスクラブのエアロビクスプログラム「ステップ」で使われたりするものです。

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上から写真に撮ったのでわかりにくいですが、ブロックのようにはめ込んで高さが変えられる脚がついています。

これは、以前よりもかなり手ごろな価格で購入することができるようになりました。
(Amazonや楽天で購入できます)。

音楽の選択はとても大事な要素

ここでポイントになるのは、音楽のテンポとスピードです。

まず、

・台に上がって降りるという、規則的な動作にあった規則性があること

・安全に台に上がって降りることができるスピードであること

これらの条件を満たす音源は、ズバリ、エアロビクスのコーチの方が仕事で使っているCDが間違いないのです。

このサイトがおすすめです→Fitness Music

どの曲も、お洒落な洋楽がダンス用にアレンジされたもので、おすすめは、「ステップ」用のものです。

私は、「シニア」「アクア」「ステップ」などの見出しがついたものを使っています。

実は、110〜130BPMぐらいのスピードで、ちょっとスローテンポかな、ものたりないんじゃないかなと思うくらいの方がいいのです。

なぜなら、上り下りする台を高くすることで、負荷を上げることはいくらでもできるからです。

それより、無理してハイテンポな曲で、台を踏み外さないことの方が大事です。

ただ上って降りるだけでもいいですが、こちらのサイトで紹介されている動画が参考になります→こちら

天候に左右されず運動できる

うつ・不安障害の方におすすめできる運動として、ウォーキングやジョギング、サイクリングなどが挙げられます。

一定のテンポで体を動かせるこれらの運動は、セロトニン神経を活性させるという効果があります。

しかし、雨の日や寒い冬の時期にはどうしても外に出るのが億劫になります。

そんな時でも、お部屋の中でできるステップ・エクササイズ(踏み台昇降)は、手軽にできていいんです。

ちなみに15分、音楽は3〜4曲聞いているうちに、じんわり汗ばんできます。

ステップ台とCDを購入しても、多分、フィットネスクラブの月会費1ヶ月分に満たないはずです。

もし、予算的に許される方は、参考にしていただければ幸いです。

ということで、本日の結論は、音楽聴きながら運動するというのは注意の分配には効果的。中でもおすすめはステップ・エクササイズ(踏み台昇降)ということでした。

  • この記事を書いた人

羽利 泉(はりいずみ)

石川県金沢市でカウンセリングや「うつ・不安障害を治すマインドフルネスーひとりでできる自己洞察瞑想療法ー」の講座をしたり情報を発信している公認心理師(国家資格)・マインドフルネス瞑想療法士です。マインドフルネスの実践を通し、心身症状で悩む方のサポートをしています。