自己洞察瞑想療法の体験談:マインドフルネスを実践し、主体的に生きる(後編)(30代:男性)

トレーナーの羽利です。

自己洞察瞑想療法(SIMT)のセッションの回復者の方(有志)からいただいた体験談を順次公開させていただいております。

回復者の皆様からの体験談:マインドフルネスを実践し、主体的に生きる(前編)に続き、後編を公開します。

後編では、8セッションを終えての抱負とこれから自己洞察瞑想法を始める方へのメッセージをいただきました。

今後の抱負

私のこれからの願いは、周囲の人たちと穏やかなコミュニケーションを取って、ゆったりとした生活を送ることです。

仕事やバレーボールの活動、育児にも積極的に関わっていきたい。心の奥で「無理をしない方がいい」と判断したときは無理をしない。

自分らしく、あるがままにいたいと思っています。仕事も嫌で嫌でしょうがなかった時もありましたが、1つ1つ課題をクリアしていきたいです。

バレーボールも辞めてしまいたいと思う時がありましたが、今は選手として円熟味を出していきたい。

戦術を理解してリーダーシップも発揮していきたいと思っています。

そうして、そういう背中を子供たちに見せていきたいと願っています。いずれも今、自然と湧き上がっている感情です。

もしかしたら、今後やる気をなくしてしまう時もあるかもしれません。そうなったら、そのとき考えようと楽観的に捉えています。

これから自己洞察瞑想療法を始める方へ

私は自己洞察瞑想療法を継続して「ゲホゲホ」と身体症状もほとんど出なくなりました。

また、仕事、バレーボールの活動に対しても「しっかりとやらなくてはいけない」と必要以上に力が入っていましたが、そういった強迫観念も減ってきたように思います。

たまには妻と大喧嘩をするときはありますが衝動的になる回数も減りました。

これも自己洞察瞑想療法とマインドフルネス瞑想療法士の羽利さんを信じて続けてこられたからだと思っています。

まずは信じて8ヶ月間続けることだと思います。

わからないことはテキストを読み返したり、羽利さんに聞いたりして解決できました。

8セッションを終えた後も自己洞察瞑想療法を続けていますが、妻と大喧嘩をしたときは時間をおいてから妻を許せない自分を受容し、このまま喧嘩を続けても家族にとって良くないと予測し少しずつ仲直りしていきました。

誰でも失敗することはあるし、苦手なことはあると自分にも相手にも余裕をもって接することが大切だと思っています。

つらい原因の正体がわからないのがつらかったかもしれないと認識しています。

自己洞察瞑想療法を続けると自分の思考、行動を観察し、なぜいま自分が苦しんでいるのか、ひいては自分とは何者かというものが見えてくるかもしれません。

相手と比べて苦しむのではなく、自分の良い面に目を向けられるようになりました。

自己洞察瞑想療法を学ぶことは自分の価値、願いは何なのかを見つける旅であったかのように思います。
旅はこれからもずっと続いていきます。

投稿文を拝見してのコメント(羽利泉)

吉岡さんには、2016年頃から公開レッスンに来ていただきましたが、その時の礼儀正しく、きびきびと動く姿からは、深刻な症状を抱えていると全く予想できませんでした。

そして、ご縁があって、グループレッスンをお受けいただき、終了後も、8ヶ月にわたり、記録表をご提出いただきました。

記録を徹底し、自己洞察瞑想法を習熟

吉岡さんの実践の特徴は、記録表Aの緻密なまでの記入でした。それは、支援者である私を圧倒するほどに真剣で精緻なものでした。

そのため、吉岡さんの実践状況を私自身が把握でき、実践のコツだけに止まらず、実践方法の意図や背景の哲学との関連まで、やりとりできました。

このことが、お互いが「みっちり」と自己洞察瞑想法に取り組めた大きな理由だったと思います。

私も吉岡さんの真摯な実践から、支援技術を向上させることができたと感謝しています。

自分を慈しむこと

吉岡さんのサポートをさせていただき、痛感したのは、夫婦共稼ぎで、家事・育児を分担している30代の男性の日常生活の負荷の大きさでした。

加えて、リーダーを務められたバレーボールのサークル活動など、時間に追われる日々の中で、責任感の強い吉岡さんは自分に休養を与えることを優先できていませんでした。

やがて、家族との衝突、体調不良や業務過多がきっかけとなり、自分を省みられ、ご自身を慈しむことを覚えていかれました。自分を慈しむことで、余裕が生まれ、他者を裁く思考は影を潜めていきましたね。

そして、他者との関係において、不本意なことがあっても、自分の苦悩を生み出す思考を観察・抑制し、建設的に、自分の意志で選択できるようになりました。

これも、自分で納得しながら旧来の習慣を変える長期的な訓練の賜物でした。

最終的には、バレーボールチームでのリーダーシップの発揮に関しては、チームを辞める否かという二択の思考に陥っていた頃が嘘のように、自分の新しい「あり方」を創造していかれたことを、誇らしく拝見しました。

これからも、まずは自分の身体の声を聴き、素直に自分の欲求を満たし、そして他者に貢献できることを建設的に考えていきましょう。

自分のためが他者のため。自他一如ですね。

呼吸に悩み、苦しみ、そして呼吸を味方に

「ゲホゲホ」の症状は、心理的な問題と結びついていました。

今では、実践を通して、仕事の合間や、昂ぶる感情、不快な思考に陥っても、呼吸に注意を移動させること、分配すること、短時間呼吸、ゆったり呼吸など、呼吸と格段に親しくなったことでしょう。

生き絶える時まで、ともにある呼吸は吉岡さんの「命そのもの」です。

どうかこれからも大事にしてください。これからのますますのお幸せを願っています。

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  • この記事を書いた人

羽利 泉(はりいずみ)

石川県金沢市でカウンセリングや「うつ・不安障害を治すマインドフルネスーひとりでできる自己洞察瞑想療法ー」の講座をしたり情報を発信している公認心理師(国家資格)・マインドフルネス瞑想療法士です。マインドフルネスの実践を通し、心身症状で悩む方のサポートをしています。