参考となりそうな番組・書籍のご紹介 鈴木大拙と西田幾多郎

【参考図書】マインドフルネスSIMTの根底にある思想・哲学:『はじめての大拙ー鈴⽊⼤拙 ⾃然のままに⽣きていく108の言葉ー』

トレーナーの羽利です。

暑い日が続きますね。

私は、7月の最終週を少し早めの夏休みとし、これまでの出張生活で後回しになっていた美術館巡りや映画を観る、温泉に行くなど幾分詰め込みがちな毎日です。

一般的なお盆の時期は、どこに行っても暑いし、人も多いので、この期間は在宅仕事にします。

大拙を易しく、優しく、イキイキと

さて、先日、Facebookをチェックしておりましたら、大熊玄先生が新しく出版された本をご紹介されていました。

はじめての⼤拙――鈴⽊⼤拙 ⾃然のままに⽣きていく⼀〇⼋の言葉
鈴木 大拙
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2019-07-26)
売り上げランキング: 14,208

前書きがすごく丁寧で、この本の狙いが誠実に伝わってきます。

私は、もちろん、大拙は初めてではないのですが、大拙の代表作から極上の金言が散りばめられたこの本は、多くの方の傍に置いて欲しいなと思っています。

鈴木大拙という人は、宗教者ではありません。

しかし、宗教の本質を一般人に、講演したり、外国人にわかるように伝えてきた哲学者であり思想家です。

この本は難解な宗教用語を使うことなく表現されており、宗教的な理解は気乗りがしないという方にも、大拙が伝えようとした思想を、存分に垣間見ることができるのではないかと、私は感じています。

マインドフルネスの実践のその先に

私がマインドフルネス瞑想療法士の育成講座に通っていた時に、大田健次郎先生が、

「長く続く苦悩を抱えた人、死を考えるほどの苦悩を抱えた人には、宗教による救済が必要な場合がある」と仰っていたことが印象的でした。

私の家は、浄土真宗本願寺派で、座禅や静坐瞑想は宗派の実践方法ではありません。

さらに言えば、私自身は熱心な教徒でもありませんで、信心深いかというと全くそうではないのですが、最近は興味を持つようにはしています。

浄土真宗は他力仏教であり、坐禅や静坐瞑想はやはり臨済宗、曹洞宗、真言宗などの他力に対して自力仏教の行法です。

前者は救済仏教、後者は自覚仏教と言われたりもします。

私は、その両方を行ったり来たりして、信仰というより宗教を哲学として学んでいる現状ですが、学べば学ぶほどに、古今東西の思想は、違いがあってもどこかでつながっているように感じています。

心理療法・精神療法の類のものも、哲学や宗教とは無縁ではありません。

だから私は宗教を学ばざるを得ないという状況です。

信仰レベルに至るかは今は特に意識していないのですが、それにしても知識として学ぶことの他に、自分について学ぶことが何と多いことか。

知識に囚われてもいけないのですが、助けにはなる。

このバランスをとリながら学んでいくことが私にはなんとも心地がよいのです。

どうして、自分に向き合うのが怖いなんて言うのだろう

「マインドフルネスSIMTの実践って自分の中のドロドロしたものも見ないといけないんでしょう?」と聞かれたことがあります。

確かに、10セッションの中には、そういう実践や時期もありますよね(汗)

でも、そういう実践や時期はマインドフルネスSIMTの要なんです。

その先に何があるのかを知るためには。

マインドフルネスも単なる呼吸法や浅い自己洞察で終わっているうちは、自分の中にある自分を苦しめるような感情や思考を何とか処理しようという機械的な実戦に止まります。

どうしたらこの苦悩から解放されるのかとまた考え始め、それを止める訓練こそがマインドフルネスの目指すところだと勘違いする方もいらっしゃるのではないかと思います。

確かに苦悩が減れば、楽にはなるけど、私たちの生命はもう少し能動的なものなのではないかと思うのです。

いわゆるそのドロドロとしたものも私たちの紛れもない一部です。

それらを嫌悪しないで、その内奥に何があるのかを多くの人が知らない、いや忘れているのだと支援していて、私はいつも感じているのです。

セッションが後半になって、イキイキして別人になるクライアントがいます。

その方は、感じているのだと思います。

大拙が教えようとしたことを。

知行合一

瞑想を技法として実践しようとするのは、「知行合一」の「行」に偏っています。

我々は、宗教者として生きていくのではない限り、難しく学んでいく必要はないと思いますが、

知と行を行ったり来たりして学んだ方が、実践の目的を維持でき、時に自分では考えも至らない領域を知る楽しさがあり、経験を通して腑に落ちて自分のものになる楽しさがあります。

マインドフルネスSIMTの背景にある「鈴木禅学」「西田哲学」を優しく学ぶ上で、前者の参考図書として、今回はこの本をおすすめしたいと思いました。

より多くのみなさんのお手元に届くことを願っています。

-参考となりそうな番組・書籍のご紹介, 鈴木大拙と西田幾多郎