からだの声が聞けなかったトレーナーの話 からだを楽に〜フェルデンクライス〜

慢性的な痛みへのアプローチをアップデートする:痛みを嫌悪したり、過剰な反応をしていませんか?

トレーナーの羽利です。

先日、NHKの「ためしてガッテン」を見ておりました。
テーマは「長引く痛みの対策に革命!イキイキ生活への新たな道SP」でした。

私も、30年近く、慢性の腰痛に悩まされてきましたが、マインドフルネスとフェルデンクライス・メソッドの実践によって、今は、不快な痛みはほとんどありません。

痛み中心の生活!?

上記のリンク先番組のレビューの中にもありますが、私に慢性痛があった頃を思い出すと、毎日「痛みが中心」でした。

「今日は、あんまり痛みが気にならないな」とか「今日は何だか痛みがあるな」とか「また再発しないようにしないとな・・」とか、

今思えば、心の中に「痛み」が住んでいたのです。

しかし、その痛みの評価には、前頭葉の前頭前野が関わっているのですが、心の中に「痛み」が住んでいる状態では、、もっと前頭前野に関わってほしい高次の精神活動に、前頭前野はその司令塔的な役割を果たすことができません。

前頭前野の働きについては→こちらを参照

「前頭前野はヒトをヒトたらしめ,思考や創造性を担う脳の最高中枢であると考えられている」

そんな前頭前野が、痛み中心の生活の中で、萎縮してしまうということは、整形外科的な治療だけでは、思いが至るでしょうか?

これは、うつ病などのこころの病で、前頭前野が萎縮してしまうこととメカニズムとしてはよく似ています。

痛みから距離をおく

数年前から、重度の慢性腰痛に「認知行動療法」が取り入れられていることが度々紹介されるようになりました。

「ためしてガッテン」の中では、マインドフルネスでもおなじみの早稲田大学の熊野宏昭先生が書籍などでご紹介してくださっているACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)が紹介されていました。

ACTも認知行動療法の1つです。

認知行動療法的に痛みを扱ってみると

痛みという出来事に対して、自分がどんな感情を持ち、どんな行動をとり、痛みの程度はどれくらいなのかを、客観的に観察し、記録を取ることで、自分の痛みへの反応を客観的に知ることができます。

私は、今から4年前にタイヤ交換をしている時に、急性の腰痛を発症しました。

その時には、すでにマインドフルネスとフェルデンクライス・メソッドに出会っており、自分の痛みに対して初めて冷静に観察できたことを今でも鮮明に覚えています。

出来事:動くととにかく痛い
感情:その痛みを嫌う気持ち、何日ぐらい続くのかという不安な気持ち、あまりの痛さに対して腹立たしい気持ち
行動:身体の反応として眉間にシワを寄せる、呼吸をつめる、胸を固めるなど、身体が硬直する。動くことを諦める。
痛みのレベル:5段階の5ぐらい

こんな風に観察はしましたが、実際に痛みはずっと5段階の5のレベルかというとそうではありませんでした。

しばらく観察していると、呼吸ととともに和らいだり、痛みが感じられない時もあるのです。

私がとった対処方法は、呼吸に注意を向ける、痛くない体の部位に注意を向ける、痛くない姿勢を探して、その日やるべきことをやるようにした、etc.でした。

そうです、痛みから距離を置いて、休養と自分のその日やると決めていたことに建設的に取り組むことで、痛みに対してこれまでの自分よりも平気でいられたのです。

それは、自己洞察瞑想療法によるマインドフルネスの実践の賜物でした

他の痛みにも効果が期待できる!?

北陸マインドフルネスセンターでもクライアントの方の中には、様々な痛みを抱えていらっしゃる方がいます。

PMS(月経前症候群)や気圧の変化に伴う頭痛などです。

しかし、これらの症状にも、マインドフルネスの実践は同じように活かせると思っています。

起きている痛みは必然であり、それをないものにしようとするのではなく、まずは痛みにハイジャックされないで、距離をおく、飲み込まれないで自分の意志で自分のやると決めたことをやってみる。

意志的に動くためには、前頭前野の指令が必要です。

長年、悩み続けている痛みに対しては、今まで痛みに対してとっている自分の習慣に気づき、痛みを消すのではなく、痛みを気にしない「脳」へと変えていく訓練が役に立ちます。

それは、すぐにはできないかもしれませんが、しっかりコツを実践し、継続することで、やらないよりは、痛みへの耐性は数段強くなると思うのです。

フェルデンクライスは痛みのある人にもできる身体技法

私自身は、フェルデンクライス・メソッドは、痛みがある時にも、レッスンを受けていました。

その時には、すぐに何らかの変化があったかと言うと、残念ながらあったとは言えません。

ただ、その時、レッスンを行うプラクティショナーが、「痛みを避けられる動きを見つけましょう」と言ったことが、すごく衝撃でした。

なにせ、その頃の私には、痛みはあってはいけないものなのでしたから、痛みはあってもいい、避けられる動きを自分で探せばいいんだと、と言うのは目から鱗だったのです。

そのように、痛みを受け入れ、痛みと戦わない構えができるようになって、レッスンへの向き合い方もずいぶん変わったなと思います。

長年かけて維持してきた痛みに対しての習慣を、今すぐ変えられなくても良いんだ・・・と。

それが、大きな転換点でした。

痛みに対してのアプローチ方法は多様になっています。

今まで、何をやっても痛みが軽減しなかった方は、マインドフルネスやフェルデンクライス・メソッドのレッスンをぜひ味方につけてくださいね。

では、レッスンでお待ちしています!

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