先日、書店でとある本を探しに行きましたら偶然に出会いました。
その名も「脳疲労」社会 ストレスケア病棟からみえる現代日本 (講談社現代新書)
脳の「疲労」がやがて脳の「変調」へ、そして「うつ」の発症へというプロセスは当たり前のようでこれまで強調されることが少なかったかもしれませんね。
うつは、発端はその人によっても異なる「ストレス」です。そのストレスに対処しきれず、否定的な感情、否定的な思考によって脳が酷使され、引き起こされるのです。
著者の方は、入院によってうつを治されている精神科のお医者様です。なかなか自宅ではゆっくり休めない方にとって「入院」のメリットを書かれています。確かに、家族の目もあってなかなかゆっくりと脳の休養に時間が取れないという方もいらっしゃるでしょうし。
しかし、脳の「疲労」にどうやって気づいたらいいのか?
身体の疲労は、比較的気づきやすく、休みを取る習慣は私たちは少なからず持っているのですが、脳の場合はどうなんでしょう?
考え過ぎて頭が痛い、だんだん考えがまとまらず同じことをグルグルと考えてしまう。
そんなことに気づくことが大事なのかもしれませんね。
174ページには、マインドフルネスの実践についても記述があります。
自己洞察瞑想法では、思考を止めることには固執しません。ただ、思考内容には深入りせず、思考していたことだけ観察する。
それが全てではありませんが、実際になかなか着手できていない問題については、少し脳を休ませて、自分や他者を冷静に観ることができるようになったからの方が、質の高い解決ができるかと思います。
2015年12月から改正労働衛生法により、ストレスチェック制度が始まっています。このチェックで、高ストレス者と検査結果が出ても、しくみ上は、精神科を受診するかどうかは本人に任されています。
精神科の受診は、なかなかハードルが高く、例えば、胃潰瘍の原因がストレスであったとしても、消化器科、同じように腰痛であれば整形外科と、精神科を受診しようだなんて多くの人は考えません。
脳の疲労や変調は、身体にも変調として表れていたりします。
そのサインも見逃さずに、静かな時間を持ち、呼吸とともに脳にしばらくお休みを与えていきましょう。