目次
自己洞察瞑想療法(SIMT)では、10か月間、色々なことが起きます
長期間、クライアントさんと接していると本当にいろんな変化に立ち会うことになります。
「ああ、今、苦しいだろうなぁ」と共感したり、「丁寧に実践しているなぁ」と感心したり、そのひたむきさに感動を覚える日々です。
うつ・不安障害などの方のために提供している自己洞察瞑想療法(SIMT)は、10ヶ月に及ぶ心理療法です。
長いと感じるか、短いと感じるか、その解釈は人それぞれですが、10か月支援していると、トレーナーとしては、クライアントさんとの信頼関係がしっかりしたものと感じられていくだけの「時間の経過」を感じます。
早く治したいとお急ぎの方で、自己洞察瞑想療法(SIMT)がどういうメソッドなのかがよくわからないまま問い合わせくださった方にも、
事前の面談は行いますが、安易にオススメ(勧誘)をしておらず、時間をかけて、ご本人が「これで治していきたい」と思ってからのスタートとしています。
最後まで続けられる方も、続けるのが難しい方もいます
そんなことを率直に書いてしまっていいのかと思いますが、率直に書きます。
続けたいのに、続けられない方を支援するのがトレーナーの仕事なわけですが、残念ながら全ての人が続けられる訳ではありません。
それは、私の力量の問題かもしれないし、クライアントさんの理由もあるかもしれないし、2人の相互作用の問題もあります。
たった1つの原因なんて突き止められるとは思っていませんし、突き止める必要もありませんが、なるべくならば10セッション続けられるに越したことはないと思っています。
10か月の山場を乗り越えていくこと
最大の山場は第6セッションと第7セッションだと感じています。
中でも、第6セッションは「本音の観察」に力点が置かれます。
本音というのは、仏教で言うところの「煩悩」に相当すると言ってもいいかもしれません。
108あると言われる煩悩ですが、大田健次郎先生によって、シンプルにカテゴライズされ、見つめやすいようになっています。
これらが、自分の苦しみの元になっているということに気づき、受け入れ、手放す。
この繰り返しの中で、次第に癒されていくようにも感じます。
それでも、衝動的に何か不快な感情を誘発するこの「苦しみの種」のような本音と、いかにして付き合っていくかは、それぞれのクライアントさんにとって、テキストをベースにしながらも工夫のしがいがあるのではないかと思います。
トレーナーの私にも特有の「本音(煩悩)」があり、トレーニング中に驚きと腹落ちを経験し、第7セッションを経て、時間とともに癒されていくことを感じました。
ただこの「苦しみの種」を穏やかに見つめる自分を眺めながら。
知りたくないようで、知ってよかった自分の本音
自分が知りたくなかった自分の本音を知ると、
その傲慢さ、頑なさ、浅はかさなど、様々な「評価」や「判断」を交えてしまうことがあり、自己嫌悪が始まってしまうことがあるかもしれません。
それでも、ひたすらそれに反応しすぎることなく静かに観察します。
自分の本音を知るだけでなく、自分の「本音(煩悩)」にどのように反応しているか丁寧に観察し、自分のパターンを知っていくプロセスを大事にしていきます。
そんなことが1ヶ月続くわけですから、具合悪くなっちゃいそう。。。と思われる方もいらっしゃるかも(汗)
それでも、乗り越えていくことができるのは、第1〜5セッションまでの、瞑想実践の積み上げです。
自己洞察瞑想療法(SIMT)は、マインドフルネス瞑想だけで、再発しない自分を作っていくというメソッドではないので、「こんなことまでしないと治らないんですか?」という疑問もあるかもしれません。
いろいろな疑問もあるかもしれませんが、「良くなりたい」という思いが最大の薬です。
最初は不安だらけでも、半年続けるうちに、ちょっと厳しい課題に向き合えるようになっていくクライアントさんもいらっしゃって、
人の心とからだの変化というのは、予想がつかないものだなと思っています。
「苦しみの種」と「喜びの種」と共に生きて行く
第7セッションでは、自分がどんな人生を送っていきたいのか、はっきりしている方ほど、快方に向かう足取りがたくましくなるように感じます。
第7セッションは「喜びの種」を育てていくセッションです。
ここでは、避けてきた自分の課題に向きあうという試練が待っていますが、第6セッションを丁寧にやった方にとっては、希望が持てるパワフルな1ヶ月になると感じています。
第6・7セッションは、自己洞察瞑想療法の山場です。
このセッションに差し掛かっているクライアントさんにエールを送る気持ちでこの記事を書いています。
ここを乗り切っていきましょう。
万事大丈夫です。