冬の石川でマインドフルネスを哲学する(3):西田幾多郎記念哲学館・本の展示会【哲学する本棚「食」】

トレーナーの羽利です。

先日、仕事で近くまできたので帰りに西田幾多郎記念哲学館へ行ってまいりました。
お目当ては本の展示会【哲学する本棚「食」】です。

こたつ

地下ホワイエがこれまで見たことのない斬新な空間に!

ご案内いただいていたチラシでは拝見していたんですが、このディスプレイ最高です!
ナント、こたつに入りながら本が読めます。

いやはや、創意工夫に脱帽です。

さて、本の展示は

ざっくりど大別するなら、左右の壁は大人向け・子供向けとなっているんだと思います。

「食」が哲学の領域にあること。
生活のあらゆる場面が哲学の場です。あー、アリです、アリです、この企画。

大人も子供も楽しめる、素晴らしい企画です。

そして、西田幾多郎記念哲学館らしく、西田博士の日記が公開され
禅語「一日不作 一日不食(一日なさざれば、一日食わず)」の実践の様子がわかります。

明治時代、食の欧米化の波が押し寄せ、菓子やパンのようなおやつの誘惑に衝動的に負けてしまう日もあったらしいです。

その他、手にした本からは、これまでに考えたこともないようなことの視点をいただいたりして、目から鱗がはがれる思いをしました。

宗教や哲学の領域の本からは自分の行いをまた振り返ることばに出会えて短時間でしたが有意義でした。

あと2回は行くかもしれません。

命とのつながりを考えること

私は、これまでのキャリアの過程で、資格試験対策のために「消費者問題」について学ぶ時期がありました。

その時は、通信系の企業で仕事をしており、現場の最前線で通信の消費者問題に翻弄されておりました。

加えて、残業や過酷なクレーム対応で自分のことを守るに精一杯でしたが、自分の業界の問題とは別に、食品の廃棄の問題はずっと気がかりでした。

当時の私は、
自分で、生命の維持のための食事をすることで精一杯で、時々、気分を転換するための食事を楽しむ、そんな暮らしだったわけで、

人間のために捧げられる動物や植物の命に思いが至ることなどはほとんどありませんでした。

都心の高層ビル群の中で、戦っている自分が「生きている」のであって「生かされてる」なんて実感は持てませんでした。

それでも、なぜか食品が廃棄されていくことには冷静ではいられませんでした。

「いただきます」「ごちそうさま」をあらためて

先日、イタリアンレストランでマインドフルレッスンを行いました。
この企画は、この後もずっと続けたいと思っているのですが、そこには明確な意図があります。

それは、私自身の反省でもあるのですが、「命」とのつながりをあらためて感じるということです。

食べている時の自分の内側の命とのつながり、
楽しい語らいとの中での人と人のつながり、
私たちに生きる力をあたえてくれる自然の恵みとのつながり、
これらをさらに結びつけてくれる生産者やシェフとのつながり

命と命の共鳴です。

命について考えることで、思いが至る対象が広がり、それゆえ感じることが増えます。
自分と同じ命を他者に見ます。

自他は一如です。他者を大事にすることは自分を大事にすることです。
他の命を大事に思うことは、自分を大事にすることです。

意図的に考えること

瞑想をしたいという人は、思考を止めたいと言います。
でもそれは、自動的に始まってしまう思考を止めたいということですよね?

考えなくてはいけない時は、やはり考える。
必要な時に、意図的を持って考えることなしには、世の中は良い方に向かいません。

今回の企画を通して、「考えること」と「感じること」は切り離せないなと思いました。

たくさんの本、どれもこれも読んでみたくなり、リストをいただいてまいりました。
とても楽しい展示で、3月12日(日)までです。入場は無料です。

この日は、ギャラリートークもあるので、私は再びうかがう予定です。
皆さんでこたつに入って読みたいですね。

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  • この記事を書いた人

羽利 泉(はりいずみ)

石川県金沢市でカウンセリングや「うつ・不安障害を治すマインドフルネスーひとりでできる自己洞察瞑想療法ー」の講座をしたり情報を発信している公認心理師(国家資格)・マインドフルネス瞑想療法士です。マインドフルネスの実践を通し、心身症状で悩む方のサポートをしています。