トレーナーの羽利です。
前回は、2日目のコースをご紹介しました。
今回は、3日目の様子ですが、独断と偏見で私の目を釘付けにした出来事を中心に書かせていただきます。
今回、自由自在塾に北海道から社長様と一緒に参加してくださったデザイン会社:株式会社昇夢虹の小川けんいちさん(けんちゃん)は、スケッチ帳をポケットに忍ばせ、随所でその瞬間と瞬間をつなぎながら見た光景をスケッチされていました。
スケッチ禅僧、現る!?
3日目、午前中に1セッションを終え、思い思いに昼食をとった後、倶利伽羅不動寺本殿での護摩法を皆さんで受けました。
2時からの護摩法にはたくさんの方がいらしていました。
しかし、昼食後、いかんせん眠いのでした・・・
私も、不謹慎ながら、かろうじて睡魔と戦いながら赤々と燃える炎と読経に注意を向けておりました。
すると
そのお参りの途中で、小川けんいちさんは、スクッと立ち上がってまさかというかやはりスケッチ開始。
もう、心のおもむくがままですね・・・
なんて自由な方なんだろう・・・
写真撮影は禁じられていますが、スケッチは禁じられていません。
アリです、アリです!
そして、一瞬一瞬を切り取って、繋いでいく。
読経中の僧侶の方は、ほとんど動きがないはずなのに、なんでこんなに躍動する感じがあるのでしょう。
描いている時は、全く無心とのこと。
見ていてもそれがとてもよく伝わってくるのです。
描く者と描かれる対象がまるでひとつになっているかのように興味深く、こちらも吸い込まれておりました・・・
これは、もう「スケッチ瞑想」と呼びたいくらいです。
そして、小川さんが描かれた十牛図の8番目「人牛倶忘」は、シンプルな「円」のみです。
なんと書き損じなし、一発で描かれたそうです。
まるで高名な禅僧の方が描かれた円相と見まごうほどに「囚われ」を感じさせない円相です。(わわわ、小川さん、悟ってるわ〜)
大拙・幾多郎を仲良くスケッチ
最後に訪れた西田幾多郎記念哲学館では、展示室で十牛図に迎えられ、ここでもやはり描かずにはいられない。
初日の鈴木大拙館での、スケッチ
と合わせて、西田幾多郎博士の写真をサラサラとスケッチ。
とにかくすごいスピードで描き上がります。
特徴を掴みながらも、どちらもまなざしは暖かく。
マインドフルネスというのは、静かな部屋で座って呼吸に注意を向けることだと思っている方、そうではないのだと思うのです。
今、ここで、打ち込みたいことに自然と無心に打ち込めていること。
自分を忘れ、誰の邪魔をするでもなく、ただ誰かの笑顔と共にあることなんだなぁって。
ああ、こういうことだよね・・・
技法とか意識の状態とか硬い言葉とか定義なんかに封じ込められるようなことに限らず、もっとその人その人の命が輝くものである。
「今、ここ」を生きるクリエイターとしてのあり方から大いに刺激を受けた私です。
小川さんが新しく挿絵を描かれた天外伺朗さんのご本「無分別智医療の時代へ」です。
私は、鈴木大拙に出会って「無分別智」という言葉を知りました。
なんとなく小川さんのお仕事にも今回の旅とのご縁を感じたりもしました。
しみじみ振り返っております。
ありがたいことです。
今回も行程を組むことを一任していただきました。
ちょっと詰め込みすぎたかもしれませんが、より北陸の地が、有意義なワークショップの場として思い出に残るようでありたいと思います。
次回の自由自在塾に向けての調査はすでに開始!
来年は、5月の最終金・土・日です。