自己洞察瞑想療法|記録表Bはもっと活用されていいはず

2018年6月より、金沢で自己洞察瞑想療法を教えることができるマインドフルネス瞑想療法士育成講座が開講になりました。

私は事務局として、運営の一部とオブザーブをさせていただいているのですが、今回は、受講者の方と同じように第1〜10セッションまで同じように課題をやってみることにしました。

目的を持った実践

自己洞察瞑想療法/瞑想法は目的を持ったマインドフルネスの実践です。
とらわれずに呼吸だけしている実践法ではありません。

先日、ダイアモンド・オンラインというwebサイトを閲覧していた際に、ヴィクトール・E・フランクルについて書かれた特集の中で、記事のテーマに

人間が本当に必要としているものは緊張のない状態ではなく、目標のために努力し、苦闘すること

と、見つけまして、

そう、これは自己洞察瞑想療法/瞑想法の実践に合致しているのです!

ただ単に、嫌だなぁと思っていることから距離を置いたり、リラックスのための実践ではなく、もともとがうつ・不安障害などの根治療法なのですから、現実の問題を改善していくための、もっとアクティブで深い実践があるのです。

しかし、

「目標のために努力する」とは、言っても「何が何でも達成してやるー、がんばるぞー」という、力任せの実践ではありません。

自分の問題に誠実になるツール:「記録表B」

私は、自力で自己洞察瞑想療法をやろうとしている人が、記録表Aの記入をやっていたとしても、おそらくやっていないであろうことの中に、記録表Bの記述があるのではないかと推測しています。

(自力で取り組む方も、記録表を書くことが長期的には実践を確かなものにします)

なぜなら、マインドフルネスの実践に興味を持つ人は、やはりマインドフルネス瞑想をすれば今の自分の苦しい状態から抜け出せるのではないかと思うからです。

瞑想(呼吸法)をすれば、交感神経より副交感神経が優位になって、リラックスできて、洞察型の瞑想をすれば、背外側前頭前野が活性して、脳は時間をかけて構造的に変化していく・・・

その通りです。

でも、これを習慣化していくことが難しいという方が実に多いのです。

かくある私もそうでしたのでわかります。

なぜ、そこまでして、マインドフルネスに期待するのでしょう?

何に困っているかを明確にする

それは「困っているから」ではないでしょうか?

実際に、支援者としてこんなことをいうのもなんなのですが、特に困っていない方には、自己洞察瞑想療法/瞑想法は必要ないと思ってるんです。

だって、時間の無駄ですもん。
もっと、創造的なことに時間使ってくださいって話です(毒)

しかし、

多くのクライアントさんが、自分の困っていることに向き合えていないということは往々にして起きがちです。

さて、

私は今回改めて10セッションを最初から実践するにあたって、記録表Bを手抜きすることなく書くことから始めました。

書いてみると自分のつらいこと/問題点が実に瑣末なことに気づき恥ずかしくなりました。

例えば、今月の記録表Bに記入したことの中に

「ビデオに撮りためたテレビ番組を見ることができないのがストレスである」が挙げられます。

普段、私はリアルタイムではテレビを見ずに、主には宗教・哲学、歴史系の番組を録画して、再生スピードを速めて後日見るというスタイルをとっているのですが、それがなかなかできないということです。

でも、本当に見ることができないかに向き合った時に、やはり、その時間を捻出する時間の使い方ができていないことに気づきます。

そうすると、ますますやらなければならないことは、自己洞察瞑想法の行動時自己洞察です。

やると決めたことから脱線する瞬間の自分をチェックする、そして、自営業者であることをいいことに、時間無制限で仕事をしてしまう体制を勇気を持って禁じることも必要です。

その他、幾つかの具体的な対処方法が明確になってきます。

そう、「自分が本当に叶えたいこと(価値・願い)」と現状の間にあるギャップである「自分の問題点」を解決するために、マインドフルネスの実践があるのです。

しかし、

「自分が本当に叶えたいこと(価値・願い)」を封印している方は、自分の問題点もクリアにすることができません。

「自分が本当に叶えたいこと(価値・願い)」を諦めていると、問題点を知ることができないのです。

症状という問題、周辺の問題

そうは言っても、厳しい症状を抱える方は、ご自身の問題である「症状」を直視するのはつらいものです。
また、渦中にいると症状以外の問題も見えにくいかもしれません。

自己洞察瞑想療法/瞑想法の中では、「症状」に気づき、「症状」を嫌悪したり、予期不安に陥りそうになる自分を洞察し、それ以上、嫌悪や予期不安を大きくしないようにストップをかけます。

そして、その他の行動で克服できる問題に注意を向けて、問題を減らしていきながら、意志作用を強化していきます。

症状は、今すぐには消えなくても、その他の問題が克服できる習慣を身につけることができた時、私たちの中に「自分ってできる!」という自己効力感が生まれます。

そのためには、あまり大きな課題を自分に課するのではなく、ハードルを下げすぎかなと思う行動を、1ヶ月かけて着実に実行していきます。

実際には、1つ課題に取り組むと芋づる式で複数の課題が実現したりする「おまけ」がついてくる場合もあります。

だから、小さなことでも始めてみることが大事なのです。

私も、21時にはPCを閉じるということをこれからも続けて行きたいと思います。

コツコツやっていきましょう。

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  • この記事を書いた人

羽利 泉(はりいずみ)

石川県金沢市でカウンセリングや「うつ・不安障害を治すマインドフルネスーひとりでできる自己洞察瞑想療法ー」の講座をしたり情報を発信している公認心理師(国家資格)・マインドフルネス瞑想療法士です。マインドフルネスの実践を通し、心身症状で悩む方のサポートをしています。