トレーナーの羽利です。
自己洞察瞑想療法(SIMT)のセッションの回復者の方(有志)のからいただいた体験談を順次公開させていただいております。
回復者の皆様からの体験談:自分のより良い状態を目指して〜逃げても何も変わらない〜(前編)に続き、後編を公開します。
後編では、8セッションを終えての抱負とこれから自己洞察瞑想法を始める方へのメッセージをいただきました。
目次
今後の抱負
きっかけは離婚から始まったマインドフルネスですが、今までの自分の生き方にも自分で無理をしていたところがあるとわかりました。
まだまだ自分に自信が持てずにいることがありますが、マインドフルネスを始めてから気をつけられるようになったのは、「自分に無理をしないように心掛けること」です。
他者との比較やまわりの影響などを気にせずに、自分は今の自分で良いという気持ちを常に保てるようにして行きたいです。
2年半前に精神的にひどい状態になった時には、仕事にも支障が出て、人前に出ることもやっとでしたが、少しずつ改善しなければという気持ちも湧いてきて、今は自治会の役員などにもなり、前向きに改善して行こうという気持ちになりました。
また、絵を描くということが自分にとって大切なことであるのがわかりましたので、この先の人生に様々なことで活かして行きたいと考えています。
これから自己洞察瞑想法を始める方へ
私が自己洞察瞑想法を始めた時には、本当に精神的にひどい状態でした。
この方法ができるか、できないかの問題ではなく、もう自分の中で何か変えなければ、ひどくて生きて行けないと思っていたので、とにかく続けました。
今はまだ気分良くとまでは行きませんが、でも当時に比べたら良いです。今はそれで良いと思っています。少しずつ変わっていますし、これからも続けて行けば変わっていくだろうと信じています。
考え方を変えるということがすごく難しいということが、マインドフルネスを始めてわかりました。
でも、今の自分の思考の癖を変えずに逃げてしまっては、ひどい気持ちのままの生き方しかないのです。
これが、私がマインドフルネスしていて、今も続けて、これからも続けて行こうと考える理由です。
マインドフルネスの講習を受けてマインドフルネス瞑想療法士の方が自分の病んだ状態を治してくれる訳でもないし、自分が今抱えている問題が解決する訳でもありません。
でもしっかりと、今、目の前のことに集中して生きるということの大切さが分かるようになりました。自分自身トレーニングをして良くなってきていると実感できています。
投稿文を拝見してのコメント(羽利泉)
PUKUさんには、グループレッスンの開始の前にマインドフルネスの実践会と説明会に来ていただきました。
精神的につらく、厳しい状態に何とか踏みとどまっている、まさに「ひどい状態」からのスタートでしたが、決意を湛えた強い眼差しが印象的に残っています。
とにかく実践、「自分で治したい」が最高の薬
PUKUさんは、レッスン開始後4ヶ月ぐらいまでは本当にご苦労されたと思います。
嫌悪、怒り、憎悪などが頭の中で渦巻き、脳の疲労で体も憔悴しきっていたことと思います。そこで、私は、支援者として、テキストの課題を忠実に実践することよりも、ご本人ができる実践を尊重するように心がけていました。
大きな転換点は「気持ち上向きにするのは、今の自分にはできない、ならば落ち込むのだけをやめて何もないゼロでいい」というご本人の言葉でした。
この言葉を記録表で見た時に、あるがままの自分を観察し、受容し、不快な感情・思考を大きくしなければそれでいいというシンプルな実践法が「ご自身の言葉」になって腹落ちしたと実感し、感激しました。
これまでの苦悩や葛藤から逃げずにストイックに向き合い、ひとつひとつ自分自身で納得したことを糧に快方に向かわれたことを振り返って実感しています。
自分が幸せになる方向へと舵を切る意志
PUKUさんは、配偶者との離別を経験され、気持ちの整理もままならぬ時期に自己洞察瞑想療法を実践されました。
寄せては返す怒りや憎悪の根底には悲しみが何度となくあったことでしょう。本当にご苦労されました。
癒えるには時間がかかるかもしれませんが、時々湧いてくる悲しみも嫌悪せずに受け止めていきましょう。
自分自身の幸せを実現するにあたっては、今はもう他者を憎む必要はありません。
他者と比較してしまうのは、人間が社会的動物である以上、ある意味必然で、思考が起こることでしょう。それが自分に役に立たない思考であれば、大きく膨らまさずに、今の調子で、自分の意志で、自分が幸せになる方向へと舵を切っていきましょう。
幸せの形は人それぞれです。自分にとって無理のない幸せを実現しましょう。
気づけば変えられる
PUKUさんの変化は、強い意志を原動力とした確かな実践に基づいていました。
特に、今回の実践を通して、いかに「気づく」ということが大切かを学ばれたと思います。
そして、まだ、道半ばという謙虚さが、実践を継続させていくでしょう。
今は、まだどうしようもないことがあったとしても、無理に変えようとしない。そのうち変わるかもしれない。
その時、その時の気づきを大切にしていきましょう。お気づきのようにご自身の「気持ち(感情)」は、私たちに多くのことを知らせようとしています。
どうか自分に無理をしないように心掛け、気持ちをあるがままに感じ取れるようなコンディションをこれからも作っていきましょう。
これからのお幸せを心より願っています。