トレーナーの羽利です。
マインドフルネス精神療法という協会誌は、マインドフルネスに特化した特別な冊子です。
今年も北陸マインドフルネスセンターからは3本投稿、掲載していただきました。2名のクライアントの回復体験談と私の「withコロナ時代のSIMT支援について」というオンラインでのグループレッスンの展望についてです。
体験談を支援者や苦しむ人の励みに
体験談は何度読んでも胸熱(ムネアツ)です。
投稿者の吉岡五郎さん・PUKUさんの体験談をぜひご覧いただければ幸いです。
全セッションを終えたクライアントさんに投稿をお勧めするには2つの理由があります。
1つ目は、支援経験の少ないマインドフルネス瞑想療法士の方に、クライアントがどんなプロセスで元気になっていくのか学んでいただくためにお役に立てていただきたいこと。
2つ目は、何よりも苦しみの渦中にいる方に励みになるようにです。
毎年1名以上の方に体験談を書くお願いしたいと思っています。
心理療法から学習法へ
私のオンラインでのグループレッスンについての展望では、私が仕事で長年身を置いている教育研修・学習領域ではごく普通の実践を心理療法の領域に持ち込みました。
それは、私のアクションプランの原型になっており、いくつもの願望があります。
もし仮に「心の病からの回復には時間がかかる」というような前提があるとしたら私はそれを打ち破りたい。
長年、しんどい思いをしている人の回復の加速度を上げたい。
効率の問題じゃなく、例えクライアントの認知機能が低下していても、
傾聴に囚われず教える技術、学びが起きる、学びを深まるように、様々な技術を弾力的に駆使して、学ぶことを楽しんでもらいたい。
今まで教育と医療の狭間で教育側が挑んで来なかったことに、自分がどれだけ役に立てるのが知りたい。
もはやそれは心理療法ではないと言われてもいいのですってくらいマインドフルネス瞑想療法士の中で異端者でいたい。
「治したい」「よくなりたい」と思った時が始める時
自己洞察瞑想療法はおそらく人を選ぶと思います。
レディネス(学ぶ準備)が不十分だと機能しません。
実際に「治るかどうか」心配している人ではなく、「治す」と決めた人がよくなっていきます。
治すと決めた人しか私には支援できません。
あいまいな気持ちで取り組んでやってみてやっぱりダメだったと相手を落胆させないために、まだレディネスが十分でない方の開始を保留したり、よくよく見極めて中断をお勧めしたりすることもあります。
拍子抜けされるかもしれませんが、誰にでも「頑張ってやりましょう!」とやすやすと声をかけないのが私のやり方で、とにかくよくなりたいというクライアントには、どうすれば実践が効果的になるかを徹底してサポートします。
知識では自分を変えられない
1人では乗り越えられずに、長くつらい状態が続いている人の中には、インターネットでたくさんの情報を集めたり、いろいろな本を読んでいたり、セミナーに参加したりしている勉強熱心な方がいます。
しかし、本当に大切なのは、プラクティス(実践・練習)を通して、脳神経システムに変化を起こすことです。
体験談を読むと、良くなったクライアントの実践がいかに真摯で忍耐強いものであるかがわかります。
始めは、体調がすぐれず、意識もぼんやり、精神的に不安定な状態でお問い合わせいただいた方も、1ヶ月1ヶ月と練習していき、最後には、開始時には全く予想ができなかった回復を遂げられることでしょう。
自分で自分を助けることができたクライアントがやがて他者の希望になっていきます。
クライアントが幸せになっていく物語を間近で見ることができ、つくづく幸せな仕事だなあと思っています。
来年も皆様の励みになるような体験談、よりよい実践に繋がる支援事例を発表することができればと思っています。