トレーナーの羽利です。
北陸マインドフルネスセンターも稼働して5年を経過しました。
この5年を振り返っていろんなことがあったなぁと思います。
今日は、5年経過して、今、どんな考えで自己洞察瞑想法を教えているのか書いてみたいと思います。
マインドフルネス瞑想療法士になりたての頃の私
私は、自己洞察瞑想療法士の開発者である大田健次郎先生に師事し、マインドフルネス瞑想療法士の資格を修得してから、比較的早くクライアントを担当するようになったマインドフルネス瞑想療法士の1人です。
当時は、産業カウンセラー資格を有し、カウンセリングのトレーニングは長きにわたり受けていたものの、臨床経験が乏しかったので、試行錯誤の連続でした。
特に、強い症状を抱えたクライアントの症状の変動にドギマギしながらセッションをしておりました。
しかし、自己洞察瞑想法では、
クライアント自身が「強い症状にどう対処するのか」というと、
つまるところ「必然として受容する」という対処法をとることになります。
ですからは、私もクライアントと同じ対処方法をとりつつ、
今は、クライアントがそれぞれ異なる「実践できる建設的な対処方法」を提案するというスタンスで安定しています。
クライアントには、
「苦しみをなんとかしたい」
「いつまでこの苦しみは続くんだ」
「いっそ消えてなくなりたい」
いろんな思いがあると思うのです。
しかし、私はクライアント自身の思いを理解しようとすることはできても、「完全に」わかることはできません。
だからこそ、そういう前提で
自分がクライアントに対してどうあるか(Be)、どう行動するか(Do)を自分自身が明確にして、サポートにあたるようにしています。
究極、すべての人が自己洞察瞑想法を独学できる社会にしたい
5年前はそんな私でしたが、
今は、かなり腹が座ってきて、「自己洞察瞑想法をよりよく教えていくには?」という独自理論を大田健次郎先生にぶつけるような図太さを身につけてしまいました。
このところ、たびたび思い出すことがあります。
今から、10年ほど前のこと。
コーチングという対人支援の技術を学んでいた時(資格を取るトレーニングを受けていた時)に、あるコーチが「コーチがいらない社会を創りたい」とおっしゃっていたことに私は衝撃を受けました。
私たちは、対人支援で生計を立てています。
ですから、それを聞いた時には、正直「コーチがいらない社会って、仕事がなくなるじゃない!?」って、思ったのです。
今、マインドフルネス瞑想療法士として、自己洞察瞑想法を教えていると、この意味がすごくよくわかります。
自己洞察瞑想療法は、認知行動療法の仲間です。
認知行動療法は、支援者が近隣にいなくても、手引書やツール(教材のようなもの)があれば、ある程度自分でもできるように工夫されています。
(私自身、第2世代の認知行動療法で試したことがあります)
自己洞察瞑想療法は、実践方法がとても詳しく書籍としてまとまっています。
だから、本当は独学ができるはずなのです。
(だって、ひとりでできるって書籍に書いてあるし・・・)
なのに多くの方が実践しているかと言うと「謎」ですし、読んだだけではわからない、途中で挫折したという話も聞かない訳ではありません。
きっと何段階かステップを踏む必要がある、または実践の仕方に大革命が起きる必要があるのではないかと私は考えています。
心理療法というものは本質的には「学習」ではないか?
私は、私は心理療法というものは本質的には「学習」だと思っています。
学習というと、学校の勉強をイメージされる方もいらっしゃるかもしれませんが、
心理学・教育学の広い意味では、「経験を通して行動が変わる」ことを意味します。
心理療法は、心の病を治すものと捉えられているかもしれませんが、
クライアントをサポートしながら感じるのは、「心の病が治ったから行動が変化した」のではなく、「行動が変化しながら、心の病が治っていく」という方がしっくりくるのです。
ですから「行動が変わるためにどんな経験が必要なのか」を理解していただき、その体験・経験に伴走することが私の役目です。
そして、うつ・不安障害で苦しむ方々は、残念なことに、「今は」大なり小なり「認知機能」が低下しています。
そんな「学習」が起きにくい状況において、どう「学習」を起こしていくか
これは、マインドフルネス瞑想療法士として、クライアントがいかにして楽に学習を起こしていくのかを真摯に考えて行かなければなりません。
そのためには、自己洞察瞑想法が魅力的で、効率的に効果的に学べるようなしくみに常に改善していかなければならないなと思い、目下、大改革に取り組む日々です。
「すべての人が自己洞察瞑想法を独学できる社会にしたい」
これは、私が命があるうちに実現できればと思います。。。
「クライアントが少しでも楽に学べるように」
それが今の私の課題です。