自己洞察瞑想療法の体験談:マインドフルネスで学んだ「本当の自分」(30代:男性)

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トレーナーの羽利です。

北陸マインドフルネスセンターでの自己洞察瞑想療法(以下SIMT)の10ヶ月のセッションを終えられたクライアントさんが体験談をお寄せくださいました。

同じように苦しまれている方の助けになればとのことでお申し出いただき、ありがたく掲載させていただきます。

その内容に、私からもコメントをつけさせていただきました。

「マインドフルネスで学んだ「本当の自分」

中島省吾(なかじましょうご)(ペンネーム)
30代:男性 セッション期間:2016年1月〜10月
(掲載されている写真はご本人ではなく、イメージ写真です)

第3号

本体験談は、日本マインドフルネス精神療法協会発刊「マインドフルネス精神療法 第3号」に掲載された文に一部加筆修正をしたものです。

要約

10年ほど自己肯定感の低さから対人関係の不安があったり、うつ病になったりで、定職につくことができなかった。

北陸マインドフルネスセンターのマインドフルネスSIMT のセッションを受けて、これらの問題を克服することができて、就職することができた。

おかげで、自分の内側で自分の存在を肯定するものがあることを感じるようになった。

自分には昔から夢があり、それの実現に向かっていきたい。

SIMTに辿り着いた経緯

私は20歳から10年近く、自己肯定感の低さや人と接することに過剰な不安や恐れ、敵意をもって過ごしてきました。

そしてそれらが原因となって鬱や強迫神経症状になり、長期間働くことができませんでした。

そうした中、マインドフルネス総合研究所のブログで「20代の自殺 低い自己肯定」という記事を読んでピンとくるものがあり、

迷うことなく北陸マインドフルネスセンターに申し込み、セッションを受けました。

SIMTの実践とその経過

SIMTに取り組んだ当初は理解が進みませんでしたが、形だけでも続けていくうちに、不快な感情に気づいたらそれを止める習慣が、次第に身につき始め、他人から受ける影響が徐々に少なくなりました。

また、SIMTと合わせて行っていた障害者就労支援施設での就職活動では、面接に落ちた際のストレス(落胆や自己否定の思考)に拍車をかけずに呼吸法でやり過ごすことができ、

SIMTの受講が終わる頃には希望していた正社員の仕事に就くことができました。

私がSIMTを通じて得た大きな気づきは、自分の思考(脳の神経回路のパターン)が苦しみの多くを生み出しており、その思考に拍車をかけないだけで日々のストレスは大きく減少するということでした。

そして「本当の自己」とは「何者かになる(多くはプロの職業人)」ということではなく、いつも自分の内側で自分の存在を肯定しているものだという考えに変わりました。

これらは、呼吸法の日々の実践で常に役立っており、生涯を通じての「宝」になりました。

今後の抱負

入社して以来、あっという間に5ヶ月が経過しました。

今後の私の目標は仕事で挑戦し続け、自分で得た収入で、今まであまり楽しめなかった「ふつうのこと(旅行、趣味、ファッション、恋愛、教養を積む、バカげたことをする?など)」をしばらくのんびり味わい尽くし、

その後は昔からの夢であった刀鍛治になるという価値実現に向けてコツコツやっていこうと思います。

最後になりますが、SIMTに出会えて本当によかったです。

これからも呼吸法を継続し、「自分が在る」ということの価値を忘れず、自分を大事にして生きていきます。

これからSIMTを始める方へ

SIMTは長期に渡って継続的に実践しなければ意味がない治療法であり、日々の実践をやめると再発しやすくなります。

そのためセッション終了後も続ける心構えは必要です。

私自身強い覚悟をもってSIMTを始めたわけではないのですが、今、心理的な問題で躓いている方で迷っているなら、 まずは体験会に参加してみることをおすすめします。

投稿文を拝見してのコメント

トレーナー・マインドフルネス瞑想療法士:羽利泉

12月のみぞれの日、喫茶店でお会いした時に、中島さんは、すでにマインドフルネスやSIMT、西田哲学に興味を持ち、よく調べていました。

症状を聞いた時には、SIMTで改善できるか定かではない気になる症状がありましたが、

それ以上に改善できる部分が多く、10ヶ月の間に、次第に良い影響を及ぼすのではないかと判断し、支援を開始しました。

丁寧な洞察

中島さんは、障害者就労支援施設に通い、トレーニングを受けながら、規則正しい生活を送り、毎日、記録表を書いていらっしゃいました。

早い段階で、呼吸法の実践が定着し、施設や街中で他者に感じる敵意を観察していく中で、ご自身のパターンを次々と見つけ、否定的な思考も感情も自分の頭の中で起きていることだと理解できるようになって行きました。

そして、ちょうどその頃から、「ユーモア」を持って自分を眺める余裕が出てきたと感じました。

その後、自分や他者に向けるまなざしが柔らかくなってきたことが思い出されます。

記録表には、行動時に洞察した新鮮な気づきが丁寧に書かれており、自分でも認めがたいような感情も赤裸々に開示されていました。

そのことがとても支援の参考になりました。

若い変革力が爆発

その後は、常に自分がより良くなるための行動を選択し、退路を絶って実行していたように見えました。

紛らわし行為となっていたパソコンの使用もパスワードを驚くほど厳格に管理することによってやめることできました。

就職活動では、ご自身に「最上」の物作り志向があることに気づき、伝統工芸の制作の職場見学し、最終的には現場は違っても、その欲求を満たすことができる会社に入社されました。

不快で悲観的な物事よりも、好きなこと、洗練された美しいものに注意を向けることが増えていきましたね。

成長にゴールなし

私は、中島さんがいて、初めてマインドフルネス瞑想療法士としてサポートすることができました。

その過程で私自身も、今までにない成長ができたと感じています。

本当に出会いに感謝しています。

これからも、お互いの道で価値実現に向かってマインドフルネスを実践していきましょう。

いつまでも、応援しています。

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  • この記事を書いた人

羽利 泉(はりいずみ)

石川県金沢市でカウンセリングや「うつ・不安障害を治すマインドフルネスーひとりでできる自己洞察瞑想療法ー」の講座をしたり情報を発信している公認心理師(国家資格)・マインドフルネス瞑想療法士です。マインドフルネスの実践を通し、心身症状で悩む方のサポートをしています。