このホームページを覗いてくださる方の中には、もしかしたら調子を崩されていて、本の内容がすんなり頭に入ってこないという方もいらっしゃるかもしれませんし、入りにくくなっている方もいらっしゃるかもしれません。
なので、ご紹介する本は、なるべく読みやすい本にしたいと思っています。
先日、書店で何となく気になったので購入してみました。その名も「気にしない練習」。
気にしない練習: 不安・怒り・煩悩を“放念”するヒント (知的生きかた文庫)
座禅にしても、自己洞察瞑想療法(SIMT)の呼吸法の最中でも、うつうつ、そわそわした気分を助長する「心のつぶやき」や映像が頭をよぎりがちです。
「それは過去に起きたこと」「それはまだ起きていないこと」とはわかっていても、気になってしまう。しかし、それはそれとして、さらりと流して、「今、ここ」の自分に注意を向け直すの繰り返しになります。
それでもトレーニングを始めた直後は「気になる」ことはやっぱり「気になる」し、こんなことで本当に騒がしい頭の中が落ち着くのだろうか?と疑問を持たれる方もいらっしゃると思います(私もそうでした)。
結果的には、気にならなくなるというより、「気になっても、気にしなくなる」「気になっている時間がだんだん短くなる」というのが実際のところではないかと思います。
自己洞察瞑想法(SIMT)では、「心のつぶやき(思考の中身)」を変えることよりも、心のつぶやきに向き合いながらも、思考することから離れることに重きを置きます。
ただ、その心のつぶやきを少し鎮めるに何か「別の考え方」ができないかなという時に、この本には、ちょっとほっとする言葉が並んでいるのではないかと思えました。
指導する私たちもまだまだトレーニングは続けています。
そんな中で、お寺のご住職である筆者のお言葉には「なるほどなぁ、そうだよなぁ、さすがうまいこと言うなあ」と思うことが多くあり、しかもじんわりと心が温まる本でした。
本当におだやかで、やさしい仏教の実践の1冊だなと思いました。
しばらく傍らに置いておこうと思いました。