トレーナーの羽利です。
2019年5月24日(金)〜26日(日)、石川県金沢市で、第5回「自由自在塾」が開催されました。
今年は、6名で濃厚な内省の場となりました。
今年の様子をレポートします。
香道で心を1つに
今回の集合は、金沢市武蔵が辻にあるスターバックス・コーヒーめいてつエムザ店前。
お申し込み者の方々は、全員が初顔合わせで、心地よい緊張感がプログラムの扉を恭しく開けていくようなそんな始まりでした。
そして一同が向かうは「加賀の薫香香屋」というお香を扱うお店です。
まずは「香道体験」からスタート!
香屋さんはもともとは仏壇屋さんだったとのこと。
今はお香の販売や香道の体験ができるお店にリノベーションされています。
まだ、十分にお互いを知らない者同士が、同じ香木の香りを聞き、香炉をリレーしていく。
説明されたお作法はあれど、緊張で忘れてしまったり、3種の香りがどう違うのか混乱したり、それに伴って、私たちの「心」は、何かと揺らぎます。
いざ、答えを書く時には散々迷い、緊張の答え合わせ。
今回の回答は「琴の音」でした(2名が正解)
後に、この時に、心が1つになっていく、そんな気持ちになったという感想を聞いて「確かに!」と思いました。
私の方は、香道は、主には室町時代以降、武士の遊びであり、戦さ場での緊張を緩和させるようなアクティビティぐらいの認識で企画に入れたのですが、
そのようなフィードバックをいただき、そうか、ある意味チームビルディングになるんだなと気づかされました。
このような感性をお持ちになったメンバーの方に参加していただけたこと、本当にありがたいことでした。
そして、ゆっくりとお茶とお菓子をいただき、古い町屋を拝見させていただき、お店をあとにしました。
写真は香木を包む袋、組紐が季節の草花をイメージして結ばれており、12のバリエーションの工夫に目を見張りました。
パターンという鎧を脱ぎ捨てる
次に向かった先は、石川四高記念文化交流館です。
ここは、自由自在塾が尊敬するに止まない石川県出身の哲学者「鈴木大拙」と「西田幾多郎」が出会った場所。
この場を、深い内省の場としてお借りできたことが、本当にありがたく、そしてこの重厚な空間が瞬く間に、深い内省へと誘われたように思うのでした。
苦しみのパターンを知り、引っこ抜く
そして、自由自在塾のシンボリックなあのワークからスタート。
各自が、親との原体験を振り返り、もう役に立たなくなっているのにも関わらず、大人になった今も自分に染み付き、
未だ無意識に大事にしている、自分を縛り、本当の自分を決して解放させない困った「障害」の明確化とその決別を体感を持って行うのでした。
今年は、本当にハイペース。
1日目で全員がワークを終了。
2回できた方もいるなんて・・・すごい!
小森谷さんのリードは、私には年々名人芸化(?)していらっしゃるように感じ、最初からぐいぐい、相手の影の部分を引き出していきます。
それに逆らうことなく、まるで身を委ねるかのように、メンバーも自分の影の部分に降りていくように見えました。
日頃から、自分の困難から逃げずに向き合い、自分を変容させてきた真摯な生き方を全員に垣間見ます。
本当の自分を隠しているモノを見ないふりして生きていても、前に出ようとしても、後ろに下がる力として働くことの繰り返し。
このワークがなくちゃ自由自在塾じゃない。
多くの人がこういったワークを「怖い」と思ったり、人前で自分を晒すことを「恥ずかしい」と思うかもしれない。
でも、
「怖い」も「恥ずかしい」も、そもそも、自分の感情と思考が綯交ぜになった「偽りの自己」の声で、本当の自分からの声じゃない。
そして、こんな自分じゃだめ、もっと自分らしく、もっと自由にと思ってはみるものの、
「自分が」とか「自分で」と頑張ろうとしてみたところで、その「自分」すらも、自分の思考で作られた本当の自分ではない。
じゃ、本当の自分って何なの、どこにいるの、出会ったらどうなるの??
そのヒントが「十牛図」にあります。
そして、自分を変えていくには安全な場と、人の助けが必要なんだってことにはなかなか気づかないかもしれない。
どこまでも、どこまでも、幼い頃から作られ、強化された「偽りの自己」が邪魔をする。
自分を捨てて、他者のサポートに素直に自分を委ねて、本当の自分に近く体験をぜひしてみて欲しいなと感じています。
続く