自己洞察瞑想療法を知る

無用な反芻思考を止めるには?:洞察実践4『思考のチェック』|うつ・不安障害を治すマインドフルネス

自己洞察瞑想療法のレッスンを受けていらっしゃる方の大半は、レッスン開始時に不快な思考内容を止められないという問題を抱えています。

今回は、そのような問題を自己洞察瞑想療法で、どのように解消していくのかを書いてみます。

暴走する無用な思考にブレーキがかからない状態

頭の中でぐるぐると反芻する思考の中身の大半は、起きてもいない未来のことだったり、すでに起きてしまった過去のことや自分以外の他人に関することが大半です。

このような思考が止まらない時、私たちの「注意」は「思考の内容」に向いています。

思考の内容は芋づる式に広がったり、たった1つの答えがあるわけではなかったりすることもあり、堂々巡りをします。

このような現象が起きるのは、このブログの読者の方には、もうお馴染みの大脳の前頭葉にある「前頭前野」という部分の不活性によるものです。

代わりに活性(興奮)しているのは、扁桃体を中心とした情動を司る「大脳辺縁系」の領域です。

脳の神経細胞間をつなぐ神経伝達物質の不足などが原因とも考えられる場合は、お薬で調整をしたり、その他、脳の不活性の部分を活性させたり、過剰に活性した部分を抑制するが行われる治療が行われます。

無用な思考を止めようとする前にやること

自己洞察瞑想療法を10セッション行うには概ね1年ぐらいかかります。

その間、多くのお客様は、日常生活の中で、何らかの反芻する思考を有しています。それはうつ・不安障害の方に限らず、健康な方にとっても少なからず起きることです。

そのような状態、症状を改善するために、うつ・不安障害を治すマインドフルネス―ひとりでできる「自己洞察瞑想療法」の第1セッションでは、28ページのポイント4に行動時自己洞察がテーマとして取り上げられ、①考えていることの自覚をトレーニングすることを勧めています。

合わせて34ページ●洞察実践4●思考のチェックを読みましょう。

自己洞察瞑想療法を実践することを通して、無用な思考を止めるにはこのトータル10行の内容を正しく理解することが早道となります。

止めようとしないでまずは「思考をチェックする」こと

最初から完璧を目指さない

考えていることの自覚ができないと、ずっと無用な思考で考え込んでしまうことになります。

第1セッションでは、●洞察実践4●思考のチェックが課題となっていますが、レッスン開始直後は、そう簡単に思考のチェックができる方はまれです。

せいぜい、しばらく考えに浸っていたことに、考えが途切れた時に気づく程度なのです。

なかなか「思考のチェック」ができない場合、「しばらく考えに浸っていたことに、考えが途切れた時に気づく」ということに対して

「自分で気づくことができなかった、偶然気づいただけ」と、否定的にとらえがちです。

しかし、このような否定的な評価は、トレーニングを勧めていく上で、実はほとんど役にも立ちません。

それどころか、自分でトレーニングに向かう気持ちを打ち消してしまうことにもなりかねません。

そんな時は、「自分の脳のコンディションは、今はそういう状態なのだ」と、あるがままに受け容れるようにしましょう。

自己洞察瞑想療法では、第10セッションまで一貫して、行動時自己洞察として「思考のチェック」を行っていくことになりますので、最初の1ヶ月で凹んでいる場合ではありません。

急いで結果を手にしようとせずに、落ち着いて課題に取り組むようにしていきましょう。

まずは「チェックしよう」という課題を明確にすることが大事

不快で無用な思考を止めたいと焦る気持ちはわかります。

しかし、まず目指すのは、思考を止めることではなく「思考のチェック」ができるようになることです。

ところが、この「思考のチェック」を行うことができないという皆さんに、共通して起きていることがあります。

それは、なんと!「思考のチェックを行う」という課題そのものを忘れているということなのです。

それはそうです、課題として明確に意識できていないのですから、脳が「思考のチェックを行え!」という実行の指令の出しようがなく、思考の中身に簡単に注意が逸れてしまうのです。

したがって、思考を止められないことはもとより、思考のチェックそのものができない場合には、「思考のチェックをするぞ」と課題を明確に意識することを心がけるところから始めてください。

最初のうちはできなくても凹まずに行動する

自己洞察瞑想療法を始めたばかりの頃、「思考のチェック」を課題として取り組みながら、自分がいかに不快で無用な思考に気づけないでいるかに嫌気がさしたり、落ち込んだりする場合があります。

「また考えてしまっていた」と思考を否定的にとらえることで、反芻する思考を嫌悪したり、思考がコントロールできない自分の症状を悲観したりします。

しかし、嫌悪や悲観から始まるさらなる不快で無用な思考が、ストレス反応を引き起こし、心身の症状や問題となる行動を強化します。

うつ・不安障害を治すマインドフルネス―ひとりでできる「自己洞察瞑想療法」の34ページの4行目を引用させていただきますので、皆さんも正しく理解してください。

内容が無用の(価値崩壊の)思考であるならば、価値(願い)を実現するための行動(呼吸法、仕事、目の前の対話など)に注意を移動することを試してください。

つまり、端的にいうなら、凹んで落ち込んでいる場合ではなく「行動せよ」と言っているのです。

何らかの身体症状が厳しくても、意欲がなくても、せめて短時間であっても「呼吸法」をやろうという意志を起こすようにしてください。

もしできないのであれば「呼吸法をやろう」という課題を明確にし、それでも何もできない、やる気がないという時(症状が重度の時)は、イメージするところから始めても構いません。

症状でつらくて、起き上がれなくても、寝たままでも呼吸法はできます。

そして、何度も何度も「思考をチェックしよう」とすることに挑戦してください。

何度も「思考をチェックする」から脳の筋トレになる

それでも思考が止められなくて凹んで落ち込んでトレーニング効果が上がらないという方は、目的を再考してみるといいかもしれません。

目的は前頭前野(意志作用)を強化し、価値実現すること

思考をチェックし、無用な思考が中断できるようになるトレーニングをするのは何のためなのでしょう?

自己洞察瞑想療法の方針は、端的に言うなら大脳の前頭前野(意志作用)を強化し、価値実現することです。

思考をチェックしたり、中断できるようになる(コントロールできるようになる)というのは、あくまで価値実現のための「手段」です。

手段が目的化すると、近視眼的になり、できた・できないに翻弄され、いとも簡単に一喜一憂を繰り返します。

ぜひ、自分は何のためにトレーニングしているのかを再度確認するようにしてください。

まずは反復しながら、試行錯誤する

思考をコントロールできるようになるという結果は、思考のチェックを何度も何度も反復するというプロセスにの結果と言えると思います。

思考をコントロールできるようになる理屈が頭の中でわかっていても、実際にはトレーニングをしなければ、脳の前頭前野の神経細胞は活性しません。

症状がつらい方は、つらくても意を決して、期間を決め、集中してやってみるとよいと思います。

わからないことはテキストをそのまま素直に読み込んだり、当センターのレッスンで、効果的、効率的に学んでいただければと思います。

まとめ

・思考は止めようとする前に、まずは思考しているか否かのチェックを何度も行うことが大事です。

・思考がコントロールできないからと言って悲観的にならずに、「チェックしよう!」という課題を明確にして何度もチェックを行いましょう。

・思考をコントロールできるようになるのは、前頭前野(意志作用)を強化して価値実現するための「手段」です。

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