自己洞察瞑想療法のセッションを担当していて思うのは、クライアントご本人が自分の病気についてあまりよくわかっていないということです。
確かに、病院での診察時間は限られており、お薬をもらって帰ってくるだけ。
なかなかお医者様も、ゆっくりと症状について説明してくださるという時間はありません。
ですから、仕方がないことなんだと思っています。
長く病気、症状に付き合っていらっしゃる方の中には、自分の中で何が起きているのかということをすでによく理解されている方もいらっしゃいます。
しかし、身心の調子を崩されて、初めてお医者様に通われた方の中には、なかなかご自身の病気、症状を理解したり、受け入れたりするのに時間がかかる方もいらっしゃるかもしれません。
あと、とにかくつらくてそれどころじゃないという方もいらっしゃるかと存じます。
そんな時に、やってしまいがちなことの1つに「インターネットで症状や原因を延々と探してしまうこと」があるように感じています。
これ、本当にのめり込みませんようにお気をつけくださいね。
(目安としては、1時間以内に切り上げて!)
パソコンからのブルーライトは目にとても刺激が強く、交感神経系の興奮にもつながります。
また、人体というシステムの中での不調はたった1つの原因で起きているものではないので、どんなに特定しようとしても特定できるものではありません。
中でも、謎なのが
一般的に知られている「うつの症状」があてはまらないのに、身心の不調が著しく、またやらなくてはいけない課題に集中しようとするとさらに具合が悪くなってしまうという症状。
趣味や旅行、買い物など好きなことはできるのに、仕事や勉強に向き合うと急に腰がひけてしまう。
そして、手足が鎧をまとったように身体が重くて、起きることができないこともある。
サボってる、怠け者と思われたりして、ご本人も調子がいい時は絶好調なこともあるので、病気の症状と気づかれないこともあります。
北陸マインドフルネスセンターでは、クライアントの症状について診断できる立場ではないのですが、そのようなクライアントの場合、
[amazonjs asin="4072976784" locale="JP" title="非定型うつ病 パニック症・社交不安症 (よくわかる最新医学)"]
が、参考になるのではないかと思っています。
著者の貝谷久宣先生(赤坂クリニック理事長・パニック障害研究センター所長)は、この病気の方へのマインドフルネスの実践を進めていらっしゃいます。
(先日、NHKの「ガッテン」の瞑想の特集の時にご出演でしたね)
大きな特徴としては
1)気分反応性・・・自分にとって良いことがあれば気分が良くなり、不都合なことが起きると気持ちが沈む。このアップダウンが大きい。
2)過食・過眠・・・週に3回以上、度を越して食べる。週3回以上、10時間を超えて眠る日がある。
3)鉛様麻痺・・・気分の落ち込み時に現れるからだに鉛が詰まったかのように思われるだるさ。神経性の疲労である。
その他にもありますが、まずは3つをご紹介いたします。
ご紹介させていただいた本は、非常にわかりやすく、私も参考にさせていただいています。
第6章(129ページ)以降には、この病気の克服方法が紹介されています。
これは、北陸マインドフルネスセンターで行っている自己洞察瞑想療法(SIMT)と内容が重複します。
また、複数の症状を併発する場合もあり、パニック症など厳しい身体症状がある方もいらっしゃいますが、マインドフルネス心理療法で回復した事例もあり、病気や症状を受け容れ、丁寧に理解し、焦らず、地道に実践すれば、何もしないでいる今よりも良くなる可能性は格段に高まります。
上記でご紹介した1)〜3)で「もしや」と思われた方は、ご一読をお勧めします。
図書館にも類似の本はあると思いますから、よろしければお手にとってみてください。
そして、治る病気なんだと希望を持って。