連続トレーニングから見えてくる「書く」トレーニングの実践効果とは

トレーナーの羽利です。

今日は、連続トレーニング(ベーシックコース、エクストラコース、エッセンシャルコース)の課題である「記録」について書いていきます。

実は大事な実践「記録表」

記録表は、自己洞察瞑想療法の実践課題:呼吸法・行動時自己洞察法・運動とならぶ大変重要な課題の一つです。

また、記録表をこれだけ記録表を重視しているマインドフルネス瞑想療法士は、他にはいないという自負があります。

6月から、自己洞察瞑想療法の連続トレーニング(ベーシックコース、エクストラコース、エッセンシャルコース)の課題の、日々の記録の課題は、翌日にはコメントをお返しできるように電子化されています。

すでに、レッスンを終えられた方には「ズルイ!」と言われそうです。

なせならば、それまでは、月に1回、うつ・不安障害を治すマインドフルネス―ひとりでできる「自己洞察瞑想療法」の234ページの記録表Aを紙でやり取り(郵便・対面型指導では手渡し)していたのです。

超、ローテクですね(汗)

3ヶ月以上経過して、自分でも電子化してよかったなとつくづく思っています。

どんなやり方かというと、

GoogleDrive上に、お客様とやり取りする記録表AをアレンジしたExcelシートを置きます。

このExcelシートは、トレーナーとお客様だけが見れるようにセキュリティを管理されています。

お客様は、1日を振り返って、自己洞察の結果を記入し(概ね5行ぐらい)、翌日にはトレーナーである私がコメントをする。

そう!交換日記のようなものなのです。

実は、2020年度までは、手書きでご提出していただき、私も手書きでお返ししていたのです。

実は、この手書きの私からのコメントが楽しみというお客様もいらっしゃったのですが、私は、月に1、2回まとめてコメントするのがちょっとしんどくもあったのは事実です。

そこで、PCを使うことに特段抵抗がなさそうなお客様とは、現在はオンラインでやり取りをさせていただいているのです。

電子化してよかったこと

電子化してよかったことは、大きく3つあります。

1.お客様のレクチャーやテキストの理解度が把握しやすくなったこと

自己洞察瞑想療法は、数々の課題を通して、自己洞察スキルを身につけることが最重要ポイントです。

お客様の契約内容によって、レクチャーや面談の頻度は異なりますが、「何をするか、なぜするか、どのようにするか」が的確に理解されていることが、うつ・不安障害などを治していく上での近道となります。

そこで、私が見ているのは、お客様が「何をするか、なぜするか、どのようにするか」をどのように理解したかが、実践記録としてどのように現れてきているのかを、ほぼ翌日には把握できるようになったのです。

これは何を意味しているかというと、お客様に「効果のないやり方」を長く続けさせないということが可能になったということです。

どうしても、テキストの読み方が浅かったり、間違った解釈を交えて読み続けてしまうと、誤った実践を繰り返してしまい、結局は自己洞察スキルを身につけることが遅れてしまうのです。

それが回避できるようになったのはよかったなと思っている次第です。

2.お客様からの質問に答えやすくなったこと

今、Google Drive上で記録をやり取りすることになって、私を活用するのが上手なお客様は、記録表でわからないところ、うまくできないことを積極的に質問されます。

以前は、お客様は質問があっても、次のレクチャーまでの間、解消する手段は、メールぐらいしかありませんでした。

また、そのまま解消できないまま、よくわからないまま実践をし続けるということもあったと思います。

もし、電話やSNSの機能などを使ってご質問いただいても、私たちのQ&Aはいつしか、時間と共に忘れられたり、やり取りが分散してしまい、1カ所にまとまるということはありませんでした。

しかし、今は、Google Drive上に、お客様とトレーナーとのやり取りは一元管理できるようになり、お客様も私も、どんな質疑応答をしたのかが、記録に残ります。

このやりとりは、最終的にはExcelファイル1つにまとめられ、全レッスンが終わった後で見直しても、濃厚な学びの記録として残るのです。

1年後には、うつ・不安障害を治すプロジェクトの記録が残り、記録が記憶として留められ、さらに記念として残るのではないかと思います。

3.お客様も自分の不安や焦りを書くことで吐き出すことができる

記録表Aは、自分の思いのたけを書き綴るものではありません。

自己洞察スキルを向上させるには秘訣があり、その秘訣をおさえて書いていくのです。

うつ・不安障害を治す秘訣を抑えるから、書くトレーニングが、うつ・不安障害を治す上で効果的、効率的なものになります。

とはいえ、効果や効果も大事ですが、

症状に苦しんでいたり、まだまだ感情が不安定なお客様におかれましては、

「このつらさ、羽利さん(私)聞いてー」って

なるのは最もなことなのです。

そういうのもアリです!

書き殴りたい気持ちはとてもよくわかります。

翌日にはなりますが、お返事します。

このお客様の思いのたけを書き綴った記録には、私にとってみると、お客様の実践の改善課題がいろいろと見えるのです。

ですから、実践を修正していくヒントをお客様からいただいて、今後の助言に活かすことになります。

だから色々書いていただいて大丈夫なのです。

そうは言ってもこれはNG

それは、不快な経験を、延々と書き綴ること。

なぜならは、それは自己洞察スキルを向上させるというよりも、書きながら自分の考えを整理するという行為だからです。

無論、それが絶対ダメとは言えませんが、毎回毎回そのような記録が続くと、自己洞察をするということがどのように理解されているのか、私にはさっぱりわからないです。

さらにいうと、お客様も、不快な出来事を再度体験しているようなものであり、気分が晴れるような、気分が滅入るような思いがあると思います。

でも、これって自己洞察瞑想療法で自己洞察スキルを身につけていく上では、あまり効果的な練習ではないんです。

だって、思考や感情の内容にどっぷり使っている感じになる、そこには自分を観察する自分がいないからです。

「え、何のこと?」と思われた方は、勉強会や無料相談などでぜひ私に聞きにきてくださいね。

  • この記事を書いた人

羽利 泉(はりいずみ)

石川県金沢市でカウンセリングや「うつ・不安障害を治すマインドフルネスーひとりでできる自己洞察瞑想療法ー」の講座をしたり情報を発信している公認心理師(国家資格)・マインドフルネス瞑想療法士です。マインドフルネスの実践を通し、心身症状で悩む方のサポートをしています。